ランチを始めて10分もたたないうちに、私は思わず聞いた。「ジャファー、オーディションのつもりかい? ランチをしているだけなのに、君はマイケルを演じているようだ」。でも、「僕は役者じゃないし、役者になりたいとも思っていない」というのが彼の答えだった。
ジャファーは当時プロゴルファーを目指していた。ゴルフがとてもうまくて、音楽が好きだった。私は気持ちを落ち着かせて、無理強いしないように気を付けた。それでも7分後には、また言ってしまった。
「正直に言ってくれ、いまマイケルを演じているだろう?」
彼は演じていなかった。昼食を終えて帰る途中、(製作総指揮の)リディア・シルバーマンに電話をかけた。「マイケルを演じられる人を見つけた」
私は確信していた。彼は私がマイケルに初めて会った時と同じ年だった。そして彼からマイケルと同じDNA、柔らかさ、笑った時の目の表情を感じた。マイケルにほほ笑みかけられると、世界が少し良くなったように誰でも感じたものだ。
ジャファーも「それ」を持っていた。話し方、話す時の口の動き、何げないしぐさを観察していたが、それは父親のジャーメインのものではなかった。マイケルのものだった。
ジャファーに電話をして伝えた。
「提案がある。もし役に挑みたいなら、世界最高のスタッフをそろえる。(フレディを演じた)ラミ・マレックの役作り以上に大がかりだ。だが家族にはまだ伝えないでほしい。うまくいかなかったときに、君に失敗を背負わせたくない。嫌ならやらなくても大丈夫だ」
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