David Shepardson

[ワシントン 11日 ロイター] - 米中西部ミシガン州デトロイトとカナダ・オンタリオ州ウィンザーを結ぶ総工費47億ドルの新たな橋の開通の延期が決まった。数日中に開通する予定だったが、トランプ米大統領が橋を開通させない考えを示唆していた。背景には両国が抱える貿易問題があるとみられている。

ロイターが確認した招待状には、12日に「ゴーディ・ハウ国際橋」の公式なテープカットが行われる計画が記されている。

ただカナダ政府系のウィンザー・デトロイト橋梁公社は「カナダと米国は未解決の諸問題を解決する上で必要な時間を確保するため、橋の開通を延期することに合意した」と述べた。

ウィンザーのディルケンス市長は11日、当局は開通を望んでいるものの「カナダはそれを実現するために膝を屈する(屈服する)必要はない」とXに投稿した。

フークストラ駐カナダ米大使は米紙デトロイト・ニュースに対し、自身とラトニック商務長官が橋の開通についてカナダ側との協議を主導していると明かした。ラトニック氏の事務所はコメントの要請に応じていない。

カナダのカーニー首相は、この新しい橋がカナダ人、米国人、企業、観光客、そして住民にとって数十年にわたり利益をもたらすと指摘。「誰もが早期開通の実現に向けて尽力している。大きな混乱はない。少し長くかかるなら、それだけのことだ」と語った。

トランプ氏は2月、カナダの店舗に一部の米国産アルコール飲料を置くことを同国が拒否していることや乳製品への関税、および中国との通商交渉を理由に挙げ、橋の開通を許可しない可能性をほのめかしていた。

10日にはトランプ氏が、自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の延長を見送る可能性にも言及した。

またデトロイトとウィンザーを結ぶ別の「アンバサダー橋」の所有者マシュー・モルーン氏は、2月にラトニック氏と面会し、その数週間前にはトランプ氏に近い政治行動委員会(PAC)に100万ドルを寄付しており、野党の民主党議員らは、モルーン氏が自社の利益を守るために自身の「影響力を行使し、米国の通商を危険にさらした」と批判している。

2018年に始まったこの橋の建設は、米国が支払いを拒否したため、カナダが資金を拠出した。建設費用は30年間の通行料で賄われる見込みだ。

この橋は、米・カナダ国境地帯における最大の貨物港で23年時点の商業トラックによる貿易額が1260億ドルに達したデトロイトへと続いており、アンバサダー橋のトラック渋滞を緩和するのに役立つ。

ウィンザー大学の調査によると、新たな橋によって横断時間は20分短縮され、30年間でトラック輸送費用が23億ドル節約できると期待されている。

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