[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した5月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比6.5%上昇し、2022年11月以来、3年半ぶりの大幅な伸びとなった。中東情勢の緊迫化を背景にエネルギー製品の価格が押し上げられた。

前月比では1.1%上昇。4月は当初発表の1.4%上昇から1.1%上昇に下方改定された。ロイターがまとめたエコノミスト予想は、前月比0.7%上昇だった。

PPIの上昇の約80%は財(モノ)価格の2.8%上昇によるもので、その大半はエネルギー製品が占めた。モノ価格の伸びは、政府が2009年12月に統計を開始して以来、最大となった。

<インフレが広範に拡大>

エネルギー価格は10.7%上昇。ガソリンが23.4%急騰した。軽油、ジェット燃料、プラスチック樹脂・材料、工業用化学品、天然ガス液(NGL)の価格も上昇した。食品は生鮮果実、穀物、油糧種子などの値上がりを背景に0.6%上昇した。一方、豚肉は10.1%下落した。

変動が激しい食品とエネルギーを除くモノのコア指数は0.8%上昇し、22年4月以来の大幅な伸びとなった。4月は0.7%上昇だった。

5月はサービスが前月比0.3%上昇した。4月は0.7%上昇だった。ポートフォリオ管理手数料が4.8%上昇し、サービス価格上昇分の40%超を占めた。一方、卸売​業者と小売業者が受け取るマージンは低下し、関税の価格転嫁がほぼ終了したとのエコノミストの見方を裏付ける形となった。

陸上貨物輸送費は3.4%、航空運賃は2.5%、それぞれ上昇。入院医療費は0.5%上昇、‌ホテル・モーテルなどの宿泊料金は2.3%上昇した。

PPIと米消費者物価指数(CPI)のデータを基に、エコノミストは、5月の米個人消費支出(PCE)価格指数は0.4%上昇と、4月と同じ伸びになるとの見通しを示した。前年同月比では4.0%上昇と、23年5月以来の上昇幅になると予想した。変​動の大きい食品とエネルギ​ーを除いたPCEコア指数は前月比0.4%上昇、前年同月比3.4%上昇になると見込まれている。

米国とイスラエルによる対イラン戦争は4カ月目に入り、終結の兆しが見えない中、インフレはさらに加速する公算が大きい。トランプ米大統領は11日、米国は「今夜、イランを極めて強力に攻撃する」と述べ、同国の原油インフラの拠点であるカーグ島を掌握する考えを表明。これを受けて原油価格が上昇した。

ブリーン・キャピタルのチーフエコノミックアドバイザー、ジョン・ライディング氏は「連邦準備理事会(FRB)は雇用目標よりもインフレ目標の達成で大きくつまずいているのは明らかだ」と指摘。「今回のPPIは、年内に利上げが必要かもしれないと考えている連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーをさらに後押しすることになる」と述べた。

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