重すぎた35年間の「空白」
歴史的に見ると、インドにサッカーの実力が欠けていたわけでもない。1950年代~60年代前半、インドはアジア屈指のサッカー大国だった。インド男子代表は、51年と62年のアジア大会で金メダルを獲得。56年のメルボルン五輪でも4位という成績を残している。
要するに、インドがサッカーで成功を収めるための土台がないわけではない。問題は、これまでに重ねてきた選択の数々にある。
最初に選択を誤ったのは50年。そして、その後も同様のパターンが繰り返されることになる。この年のW杯ブラジル大会の予選で同じグループの他の国が全て辞退したため、インドは戦わずして本大会の出場権を獲得した。ところが、AIFFはブラジルへの渡航費用を理由に、直前になって出場を辞退してしまう。FIFA(国際サッカー連盟)が渡航費用の大半を負担すると申し出ていたのだが……。
この一件に関しては、裸足でのプレーをFIFAに禁止されたためという「伝説」が広まっているが、当時の主将サイレン・マナはこの噂を否定し続けてきた。サッカー史研究者の間では、AIFFがW杯より五輪のほうが格上の大会と考えたためだというのが定説になっている。
次の54年大会の予選にはエントリーを認められず、その後、82年大会まで予選への参加を見送るという暴挙に出た。35年以上も世界トップレベルの大会から離れていたナショナルチームの立て直しに時間を要するのは当然かもしれない。
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