無策のインドに厳しい現実

キュラソーは自らのアイデンティティーを見つめ直し、外国に暮らす人々も「同胞」であると素直に受け入れさえすれば、小国であることは弱小国であることを意味しないと理解し行動した。その一方でインドのサッカー界を動かしている人々は、大国イコール強国だと思いこんでいるようだ。14億人超も国民がいるのだから、世界と互角に戦える代表チームがそのうちつくれるようになるはずだといまだに考えているのだ。

だが現状を見れば、FIFAの世界ランキングでインドは136位。W杯出場国はもちろん、出場していない多くの国の後塵をも拝している。

FIFA理事会がW杯の出場国の数を48に増やすことを決めたのは17年1月のことだ。この時、インドの実業家兼政治家でアジアサッカー連盟の上級副会長を務めていたプラフル・パテル(AIFFの会長でもあったが、後に最高裁の決定により職を追われた)はスポーツ専門チャンネルのESPNに対し、アジア枠の拡大はインドや中国などにおけるサッカーの発展を後押しするだろうと期待を表明した。

そしてその3年後、パテルはインド国民に対し、26年のW杯出場という夢を追おうと呼びかけた。

だが、夢を叶えたのはインドではなくキュラソーだった。W杯史上、最も小さな出場国となるキュラソーは、同じグループEの強豪ドイツとぶつかることになる。そして世界最大の国インドはこれまでのW杯と同様に、それを指をくわえて見ることになるだろう。

Foreign Policy logo From Foreign Policy Magazine
 

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 自重筋トレ入門ッ!
2026年6月16日号(6月9日発売)は「自重筋トレ入門ッ!」特集。

美と強さを追求し、古代ギリシャから監獄にまで受け継がれた自重筋トレ。その歴史と実践方法とは?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます