Phil Stewart Maya Gebeily Tala Ramadan
[ワシントン/ベイルート/ドバイ 9日 ロイター] - 米軍は9日、イランに対する新たな攻撃を開始したと発表した。トランプ大統領がホルムズ海峡で米軍のアパッチヘリコプターがイランによって撃墜されたと明らかにしたことを受けた措置で、両国の和平の見通しに対する疑念が一段と深まった。
トランプ氏は米ABCニュースに対し「対応は非常に強力かつ力強いものであるべきだと考えており、今回の措置はまさにそうしたものだ」と述べた。
イラン国営メディアは、ホルムズ海峡のケシム島が攻撃を受け、海峡沿岸の港湾都市シリクで飛翔体着弾が確認されたと報じた。メヘル通信によると、近隣のバンダルアバスでも爆発音が聞こえた。
米当局者によると、アパッチヘリはイランの単方向攻撃ドローン(無人機)によって撃墜された。
イランのアラグチ外相は交流サイト(SNS)への投稿でヘリ墜落に直接言及しなかったものの、地域に駐留する外国軍は事故や交戦に巻き込まれる危険があると指摘。「リスクを下げる最善の解決策は、彼らが立ち去ることだ」と書き込んだ。
イラン国営メディアは軍関係者の話として、過去24時間にホルムズ海峡で攻撃的な航空作戦は行われていないと伝えた。同関係者はまた、ヘリ墜落を口実に「敵」が攻撃を再開した場合、「断固たる対応」を取ると表明したという。
米中央軍は声明で、トランプ氏の指示により、米東部時間9日午後5時(日本時間10日午前6時)に「自衛攻撃」を開始したと明らかにした。「イランの不当な攻撃に対する均衡の取れた対応だ」としている。
米ニュースサイトのアクシオスは米当局者の話として、ホルムズ海峡周辺のイランの防空システムやレーダーシステムが標的になったと報じた。
トランプ氏は9日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、ヘリの事案は「大したことではない」と述べ、「パイロットは無事だ」と強調した。
ただ、今回の問題は紛争終結やホルムズ海峡再開に向けた和平協議にさらなる重しとなる可能性が高い。
トランプ氏はこれまで、米国とイランは合意に近いと繰り返し述べてきたが、4月初めの停戦発効以降、進展の兆しはほとんど見られていない。
米軍によると、米陸軍のアパッチ攻撃ヘリは現地時間9日午前3時(日本時間午前8時)ごろ、哨戒中にオマーン沿岸付近で墜落し、米海軍の無人艇が乗員2人を発見し救助した。中央軍は墜落の原因を明らかにしていない。乗員2人の容体は安定しているという。