トランプが大統領に就任して日がたつにつれ、イバンカのブランドは非難を浴びるようになった。トランプは国民に「アメリカ製品を買おう」と呼び掛けていたが、イバンカの会社は中国の労働者を中国の最低賃金より低い給料で働かせていた。今年7月、彼女は会社を閉鎖し、「ワシントンでの仕事に集中したい」と釈明した。

イバンカは中小企業庁などの舞台裏で活動し、少なくとも一つ、有意義な仕事をした。途上国の女性起業家のための基金の設立を助けたことで、これは各方面から称賛されている。

メラニアとは違い、イバンカは権力を理解し、愛している。トランプ・ブランド大使として振る舞い、「女性の活躍推進」の旗印の下に世界のトップレベルの人々と人脈を築いている。ただし父親の政権が「女性の活躍推進」に取り組んでいるようには見えない。

かつて彼女のファンだったメディア界の大物バリー・ディラーに批判されても、中国、インド、EUの指導者と親しくなったイバンカは平気だ。ディラーは今春、こう言っている。「あんな悪人からどうしてこんなに礼儀正しく、親切な娘が生まれたのかと思ったものだ。今ではそう思わないがね」

イバンカは究極の「トランプ」ブランドだ。そのロゴを引きちぎり、独り立ちする日は来るのだろうか。

マーラ・メイプルズ

イバナと結婚していた頃から、女優マーラ・メイプルズとの仲は公然の秘密だった。またトランプが『プレイボーイ』のヌードモデルやラスベガスのショーガールのような「理想の美女」に仕立て上げようとした女性は、おそらくメイプルズが最初だ。

トランプはお抱えのパブリシストやスタイリスト、ジャーナリストを総動員して彼女のブランド化を図った。一冊丸ごとトランプを取り上げた雑誌『本物のトランプ』の表紙に、メイプルズを載せた。プロレス団体WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)のイベントでインタビュアーをやらせ、美人コンテストでは司会を任せた。人気ドラマ『ベルエアのフレッシュ・プリンス』に、2人で一緒にカメオ出演したこともある。

trumpwomen04.jpg
1000人の参列者に祝福され2人目の妻になった女優メイプルズは、トランプの「理想の女」になるのを最後は拒否 Ron Galella-Wireimage/GETTY IMAGES

メイプルズは93年秋に娘ティファニーを出産。同年12月にはニューヨークのプラザ・ホテルで盛大な結婚披露宴を催した。だが女優としての盛りは過ぎていた。92年に出演したブロードウエイミュージカル『ウィル・ロジャーズ・フォリーズ』は好評だったが、妊娠のため降板した。

やがて、メイプルズはトランプ色に染められることにうんざりした。「メイクなしで出掛けたいタイプの私を、(トランプは)別人に、モノに......強欲のシンボルに変えようとした」

2人は99年に離婚。メイプルズはボディーガードとの不倫を報じられたが、養育費と100万ドルの慰謝料を得た。

「トランプ離れ」に成功したメラニア