「政府はビジネスをよりよく理解しようとすべきだ」
英メディアによると、マークス&スペンサー(M&S)のスチュアート・マチン最高経営責任者(CEO)はリーブス氏の提案を「完全に不条理。政府はビジネスを運営しようとするのではなく、ビジネスをよりよく理解しようとすべきだ」と一蹴した。
中東危機で一部のサプライヤーが価格引き上げを要求し、M&Sのコストに数百万ポンドが上乗せされたものの、コストの大部分は吸収または相殺できたという。インフレを抑制するには政府が企業に課す「お役所仕事」や増税による負担を逆転させるべきだとマチン氏は反論する。
英国小売協会のヘレン・ディキンスンCEOも「1970年代スタイルの価格統制を導入し、小売業者に損失を出して商品を売らせようとするよりも、政府はそもそも食品価格を押し上げている公共政策のコストをどう削減するかに集中すべきだ」と批判する。
給付拡大の費用を増税で賄ってきたスターマー政権
リーブス氏は「成長を取り戻す」と約束しながら給付拡大の費用を増税で賄う「その場しのぎ」の政策に終始してきた。英国の30年物国債利回りが一時5.8%を上回り、市場から財政の制約を突き付けられると、今度はそのツケを民間に押し付けた格好だ。
スターマー政権による雇用主の国民保険料負担率引き上げ、全国一律の法定生活賃金引き上げ、事業用不動産税の減免縮小、ネットゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)のための包装規制に加え、中東危機によるサプライチェーンの圧迫とコスト増が小売業の肩にのしかかる。
英国の食品価格は過去6年間で50%上昇したものの、足元では食品とノンアルコール飲料の年間インフレ率は3月の3.7%から4月には3%に低下した。現場の現実を無視したリーブス氏の不条理な政策はスターマー政権の無能さを改めて白日の下にさらしている。