[ジュネーブ 20日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は20日、アフリカのコンゴ(旧ザイール)東部を中心に130人超が死亡したとみられるエボラ出血熱について、感染が2カ月前に始まった可能性が高く、今後も感染拡大が続くとの見通しを明らかにした。

WHOの専門家によると、最初の死亡例の報告は4月20日だった。その後、葬儀所か医療施設で大規模に感染が拡大したとみられる。ウイルスの変異株の一つ「ブンディブギョ株」によるエボラ熱の流行は今月15日になって発表された。人口密集地域で未検出のまま感染が拡大し、接触者の追跡や隔離が困難になるとの懸念が高まっている。

WHOは最初の患者が症状を示してから感染確認に至るまでの間に「重大な4週間の空白期間」があったと指摘。ウイルス担当の技術官はジュネーブで記者団に「流行がいつ、どこで始まったかを特定するために調査中だ」と説明した。

WHOのテドロス事務局長は、感染疑いが600件、感染疑いによる死亡が139件報告されているとしながらも「国・地域レベルでのリスクは高いが、世界的には低いと見ている」と述べた。コンゴでは51件、隣国ウガンダで2件の感染が確定している。テドロス氏が今月17日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言。緊急委は19日に宣言を認定したものの、「パンデミック(世界的大流行)の緊急事態」には認定しなかった。

WHOによると、「ブンディブギョ株」の平均致死率は約40%。「ザイール株」とは異なり、特化した承認済みの治療薬やワクチンが存在せず、検査能力も限られている。2種類のワクチン候補が検討されているものの、開発までに3─9カ月かかる可能性があるという。確認された症例にはコンゴで活動していた米医師などが含まれる。

米政府はエボラ患者向けの診療所開設に向けて1300万ドルを拠出。アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は、南アフリカがエボラ熱対策支援として250万ドル拠出すると発表した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。