Dan Burns

[ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が20日に公表した4月28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、中東情勢を背景にしたインフレへの懸念が強まる中、より多くの当局者が利上げの可能性を容認する姿勢を示していたことが分かった。ウォーシュ次期FRB議長はタカ派色が強まっているFRBを引き継ぐことになる。

議事要旨によると、大半の政策担当者がインフレ率がFRBが目標とする2%を持続的に上回り続ければ「一定の金融引き締めが必要になる可能性がある」との見解を表明。「こうした可能性に対処するため、多くの参加者は、将来の金利決定の方向性について緩和バイアスを示唆する文言をFOMC声明から削除することが望ましいとの考えを示した」という。

FRBは同FOMCでフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.50─3.75%に据え置くと決定。据え置きは3会合連続で、予想通りだったが、決定は賛成8、反対4と、1992年10月6日以来、最も大きく意見が割れたほか、FOMC声明ではインフレへの懸念が強められた。

議事要旨によると、政策担当者は政策金利を従来想定されていたよりも長く据え置く必要があると「おおむね」判断した。また、「圧倒的多数」が、短期的には労働市場が安定すると「おおむね予想」している一方で、インフレ率が目標の2%に戻るまでにさらに時間がかかるリスクが高まっていると指摘した。

決定に反対票を投じた4人のうち、ミラン理事は0.25%ポイントの利下げを主張。クリーブランド地区連銀のハマック総裁、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁、ダラス地区連銀のローガン総裁は金利据え置き自体には賛成したものの、現時点で声明に緩和バイアスを盛り込むことは支持できないとして、政策決定に反対した。この3人の総裁は、インフレ率が目標の2%を大幅に上回っており、米・イスラエルとイランの交戦に伴う物価上昇圧力が拡大し、短期的には目標からさらに乖離していく可能性が高いと指摘した。雇用が底堅く、利下げの必要がないことが示されているとも指摘した。

数人の当局者はインフレが鈍化すれば利下げが適切になると見ているものの、3月のFOMC時点での「多数」からは減少した。

FRBがよく使用する用語では、「多くの(many)」は「過半(majority)」にわずかに届かない水準を意味することが多く、今回のFOMCで反対票を投じた3人の連銀総裁が、少なくとも同数の投票権を持たないメンバーの支持を得ていた可能性が示唆された。

今回のFOMCはパウエルFRB議長の下での最後の会合。インフレ率が目標を上回り続けた場合に利上げが適切となる可能性があると考える政策担当者の割合が前回の会合に比べて増えたのは2回連続だった。

トレードステーションのグローバル市場戦略責任者、デビッド・ラッセル氏は「利上げが再び検討対象に浮上してきた」とし、「ウォーシュ氏が加わるに際し、FOMCはタカ派色を強めている」と指摘。オックスフォード・エコノミクスのチーフ・グローバルエコノミスト、ライアン・スウィート氏は、「6月の次回FOMCは新たなFRB議長の下で実施されるが、どちらの方向に金利を動かすとしても、コンセンサス形成は当面は困難になる」との見方を示した。

6月16─17日の次回FOMCで政策金利の変更は見込まれていない。ロイターのエコノミスト調査では、年内の利下げ予想は半数未満と、1カ月前の調査の約3分の2から減った。約半数は年内据え置きで、少なくとも1回利上げするとの予想もある。

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