Leigh Thomas Elizabeth Pineau
[パリ 20日 ロイター] - マクロン仏大統領がフランス銀行(中央銀行)総裁に指名した前大統領首席補佐官のエマニュエル・ムーラン氏は20日、議会両院の委員会で承認投票を前に公聴会に臨み、外部の影響を受けず独立した立場で中銀を運営すると表明した。その後の採決では総裁就任が承認された。
下院財政委員会では、行政府および民間の利害の双方から完全に独立し公平に職務を遂行すること確約。6月の欧州中央銀行(ECB)理事会でどのような立場を取るかについては、現時点では言えないと述べた。エネルギー市場の変動を特徴とする特に不安定な時期にあり、理事会までに入ってくる経済指標次第だと説明した。
加えて、インフレ期待のアンカーが外れる兆候があるかどうかが鍵になるとし、政策当局者は基調的インフレ率に特に注意を払う必要があると指摘した。
中東紛争による現在のショックがインフレに持続的な影響を及ぼしているかどうかを見極める上で、賃金動向は6月理事会に向けて注視すべき3番目に重要な指標になるとの見解を示した。
ムーラン氏は上院委員会で「ショックが持続的かつ大規模であれば、明確に対応する必要がある」と述べ、「大規模だが持続的でない場合、ショックが一時的なものに過ぎないなら、恐らく穏健な対応が必要になるだろう」と語った。
ユーロ圏諸国における物価安定を維持するというECBの責務は十分に柔軟だと述べ、変更する必要はないとの考えを示した。
政府債務が国内総生産(GDP)の115%近くに達するフランスの財政状況について「壊滅的ではないが、深刻であり、真剣に受け止める必要がある」と述べた。
元銀行員で財務省高官も務めたムーラン氏は経験豊富な政策担当者として十分な経歴を持つが、マクロン氏との関係により承認投票は接戦が見込まれている。上下両院の合計で反対票が60%を超えなければムーラン氏は承認される。