Miho Uranaka

[東京 20日 ロイター] - 三井住友銀行と東芝は20日、量子技術由来の最適化計算機を活用した新たな株式指数を共同開発したと発表した。市場急変時のリスク抑制を狙った指数で、日本株と米国株を対象とする2種類を用意した。今後、運用会社に対して同指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)の組成を提案していく。

会見した三井住友銀行の永田有広専務は、ETFなどで採用された後、「長期保有を前提としたポートフォリオに自ら組み入れ、実証していく」と述べ、実運用を通じて指数の有効性を検証していく考えを示した。同社の長期的な資産の組み合わせの中で、根幹になっていく可能性もあるという。既に運用会社3社と協議していることも明らかにした。

開発したのは「SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散日本株式指数」と「SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散米国株式指数」。総称して「SMBC/TOSHIBA量子分散」と呼ぶ。過去の値動きを基に相関の低い銘柄群を組み合わせることで、市場環境が急変する局面においても分散効果が機能し、リスク抑制が期待されるポートフォリオを可能にした。

永田氏によると、株式投資は株価が下落したところで買い、上がったところで売るのが基本だが、市場のボラティリティ(変動率)が高まる局面が頻繁に見られる中で、下落幅を低減し、投資のタイミングが問われない指数を求めたという。三井住友銀行の金融工学の知見と、東芝の量子技術由来最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」を組み合わせ、1年かけて開発した。

大規模な銘柄群の中から相関の低い組み合わせを選び出す計算を伴うため、まずは大きな母数が確保できる日米株式から始める。両社によると、このような計算は従来型コンピューターでは処理負荷が大きく課題となっていたが、東芝のシミュレーテッド分岐マシンは、量子コンピューターの原理に着想を得た技術を活用し、膨大な数の解の候補がある場合でも高速に解を算出できるという。

日本と米国の既存株価指数の採用銘柄を母集団とし、年4回、構成銘柄を選定する。2015年末を起算日として算出を開始している。指数の日次算出・公表はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが担う。東芝の岡田俊輔上席常務は、先進国や新興国株式なども含めた指数を開発する構想もあると語った。

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