Maria Martinez Makiko Yamazaki Leigh Thomas

[パリ 19日 ロイター] - フランスのパリで開催されていた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は19日、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の再開や貿易不均衡に対処するための行動の必要性などを指摘する共同声明を採択して閉幕した。

共同声明は、ホルムズ海峡の自由かつ安全な通航の回復を確保することが「不可欠」だとし、エネルギー、食料、肥料のサプライチェーンへの負荷を軽減するよう求めた。分断が進むグローバル経済において貿易不均衡に対処するための行動が必要とし、現状は持続不可能だと指摘した。重要鉱物やレアアース(希土類)に関し「G7および同志国との協力を深め拡大する」と表明した。またロシアによる侵攻が続くウクライナへの「揺るぎない支持」を再確認した。

議長国フランスのレスキュール経済・財務相は閉幕後の記者会見で、レアアースや重要鉱物の供給源の多様化や世界経済の不均衡への対応について議論したとし、「不均衡は持続不可能だという認識を全員が共有している」と述べた。国際通貨基金(IMF)に対し監視・分析の改善を求めるとともに、議論を継続すると説明した。G7財務相が、投資拡大や生産性向上、市場をゆがめる政策の是正に向けた計画を国内の政策課題に盛り込む必要があるとの認識で一致したとも述べた。

今回の会議では、ホルムズ海峡の再開とウクライナ支援の必要性では一致したものの、イランやロシアに関する主要な問題では、米国とその他の国の間で一部溝が残った。

ベセント氏はロイターのインタビューで、欧州の各国財務相に対し、慢性的に低迷する内需にもかかわらず中国が過剰な工業生産能力の構築を続けていることで安価な中国製品の大量流入が見込まれ、自国経済が打撃を受けるとして、貿易面の防衛策が必要だと警告したことを明らかにした。「残念ながら、私の警告は正しかった。中国はアクセルを踏んでおり、生産をさらに増やしている」と述べた。nL6N41W159

片山さつき財務相も不均衡の大部分は中国に起因するとの見方を示し、それが先週の米中首脳会談にも反映されていると述べた。会議では「新興国をはじめ各国の雇用、物価、産業などに悪影響を及ぼす中国の歪曲的な産業政策を控えるよう、G7と招待国がG20(20カ国・地域)、IMF(国際通貨基金)などの場で一致して訴えていくべき」と述べたという。

片山氏は、産業政策の問題や市場を歪める非市場的行動など、さまざまな問題を抱える中国が自ら不均衡を是正する意思がないように見えるという認識を各国が共有しているとし、6月のG7サミットで首脳が具体的な行動で合意するよう圧力がかかっているとの認識を示した。

<イラン問題巡り行き違い>

2日目の19日は、ブラジル、インド、韓国なども参加した。カタールなど湾岸3カ国も中東情勢を巡る協議に参加した。

イラン問題を巡っては、ベセント氏がイランの資金網遮断に向た連携を呼びかけた。ロイターのインタビューで対イラン金融制裁の枠組みを改善し実効性を高める方針を示した。

一方、米国が「エネルギー脆弱国」を支援するためとしてロシア産原油を巡る制裁免除措置をさらに30日間延長したことには異論が出た。欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)は「G7は常に100%一致しているわけではなく、これは残念ながらそうした案件の一つだ」と述べた。議長役のレスキュール氏はベッセント氏が説明すべきだとして、直接的なコメントを控えた。 nL6N41W0YQ

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