William Schomberg Andy Bruce
[ロンドン 19日 ロイター] - 英税務当局が19日発表した速報データによると、4月の給与所得者数は前月から10万人減という大幅な縮小を示した。イラン戦争が経済に影響を与えており、投資家は英利上げ期待を後退させた。
ただ、速報値は会計年度開始時の4月は特に修正されやすい傾向がある。英国立統計局(ONS)は減少幅について、新型コロナウイルス大流行が始まった2020年5月以来最大だとしつつ、数値は修正される可能性が高いと強調した。
過去4カ月分の推計値が下方修正され、2025年末以降の悪化傾向が浮き彫りになった。
求人サイト運営のインディードのシニアエコノミスト、ジャック・ケネディ氏は「直近の数字は労働市場が圧迫されていることを示している」と指摘した。「英経済は第1・四半期に予想外に堅調な成長を遂げたが、イラン戦争が今後数四半期にわたり重くのしかかり、採用需要をさらに抑制する見通しだ。不安定な国内政治情勢が不確実性を加えており、企業にとって望ましくない状況だ」と述べた。
2─4月の求人数は70万5000件と1─3月の71万2000件から減少し、21年2月までの3カ月間以来の低水準となった。
1─3月の賃金上昇率(ボーナスを除く)は前年同期比3.4%となり、市場予想と一致した。しかしインフレ調整後の実質ベースでは0.3%の伸びにとどまり、23年5―7月期以来の弱い伸びとなった。
1─3月の失業率は5.0%と、25年12月─26年2月の4.9%から小幅に上昇した。
就業者数は14万8000人増と予想を大きく上回ったが、増加は自営業者数の増加によるもので、被雇用者数は5万3000人減少した。
INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は、給与所得者数の減少と賃金上昇の鈍化を踏まえると、英中央銀行が6月に利上げを行うという自身の予測は今や五分五分になったと述べた。
投資家は年内の利上げ予想を修正。現在約2回の0.25%引き上げが織り込まれている。18日時点では3回の利上げの可能性が約50%と織り込まれていた。