[ウェリントン 19日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のウィリス財務相は19日、来週発表する来年度予算案で数千人の公務員を削減し、選挙を見据えた現金給付などの支出を控える方針を明らかにした。11月の総選挙で接戦が予想される中、中道右派の連立政権は経済政策の実績をアピールしようとしている。
ラクソン首相は支持率の低下に直面しており、景気低迷と債務増大を背景に先月、党内の信任投票に踏み切らざるを得なくなった。格付け機関2社は3月と4月にそれぞれNZの格付け見通しを引き下げた。
ウィリス氏は経済団体ビジネス・ノース・ハーバーでの講演で、2029年半ばまでに中核的な公務員の数をフルタイム換算で5万5000人以下に削減すると表明した。昨年12月時点の数を8700人下回る水準となる。
この発表は右派政権の緊縮財政路線に沿ったものだ。新規の経常支出に上限が設けられ、各省庁の予算が継続的に削減される中、正規職員や契約職員の削減が既に進んでいる。
23年に発足した同政権は、債務と利払い費用の削減、インフレ抑制のために財政規律が不可欠だとしている。しかし批判派は、失業率は歴史的に高い水準にとどまる中、歳出削減が景気回復の妨げになっていると指摘する。
ウィリス氏は「選挙が迫る中、またしても場当たり的な支出を行う誘惑に駆られる」としつつ、「無料」の政策や現金給付を否定し、「わが政府はそうした過ちを繰り返すつもりはない」と述べた。
28日に発表する予算案では、大半の政府機関の来年度の予算を2%削減し、その後2年間に追加で年5%削減することで、予測期間を通じて24億NZドル(約14億1000万米ドル)の節減を実現するという。
NZ政府は先週、26─27年度の新規経常支出を21億NZドルとし、12月時点の予測を3億NZドル下回る水準に設定する一方、資本支出はネットで57億NZドルに増やすと発表した。
ウィリス氏は、NZが不安定な世界情勢や高水準の公的債務、年間約90億NZドルの利払い負担に直面しているとし、「もう二度と失敗に終わる浪費的な支出を続ける余裕はない」と述べた。
一方、野党・労働党のヒプキンス党首は、政府の公務員削減案を批判。「住宅ローンを抱え、家族を養っている人々が職を失うことになる。地域で消費する人が減るということだ」とメディアに語り、影響は全国に及ぶとした。