Selena Li
[香港 19日 ロイター] - 英金融大手スタンダードチャータード銀行(スタンチャート)は投資家に向けて19日に公表した最新のグローバル戦略で、2028年の有形自己資本利益率(ROTE)目標を15%超に引き上げ、30年までに本社機能などの間接部門のポスト約15%削減する方針を示した。
新たな28年のROTE目標は25年比で3ポイント余り高く、30年にはROTEを18%前後まで高めたい考えだ。
ただこの野心的な目標には、中東情勢の不透明感が影を落としている。アナリストらは、イランを巡る紛争が長引けば、エネルギーコストの上昇と成長鈍化が借り手の負担となるため、アジア太平洋地域の銀行は貸倒引当金をさらに積み増す必要があるかもしれないと指摘する。
スタンチャートにとって、アジア太平洋地域はこれまでリスクと同時に収益の源泉でもあった。第1・四半期には、中東紛争に関連する予防的措置として1億9000万ドルの引当金を計上した。
25年6月時点でバックオフィス業務に相当するサポートサービス部門に約5万1000人の従業員を擁する同行は、30年までにコーポレート機能部門の役職を15%以上削減する。これは全世界の従業員8万人のうち、7000人以上の削減に相当する。
ビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)は記者会見で、この削減は自動化と人工知能(AI)の導入によって推進され、一部の従業員は再スキル化を行うと説明。「これはコスト削減ではない。場合によっては、付加価値の低い人的資本を、われわれが投入する金融資本や投資資本で置き換えるものだ」と述べた。
同行の香港上場株は寄り付きで2.3%上昇した。
アジアとアフリカに重点を置く同行は、従来の業績目標を予定より早く達成したことを受けて今回、最新のグローバル戦略を公表。大方の関心はウィンターズCEOが長年のリストラを経て現在の勢いを維持できるかどうかに移っている。
ウィンターズ氏は声明で「26年の中期財務目標を計画より1年早く達成した。現在われわれの組織はより集中し、簡素化され、効率的になっている」と強調した。
今後は富裕層向けの個人金融や、法人・投資銀行部門内の金融機関など、より利益率の高い事業に注力し続けることで新目標の達成を図る。