[18日 ロイター] - シティは、アルミニウム市場が大規模な供給ショックを受け、過去50年余りで最も強気な環境に突入しつつあると述べた。価格は短期的には1トン当たり4000ドルまで上昇し、さらに高くなってもおかしくない見通しだ。
イランでの戦争が世界のアルミ市場にかつてない危機を引き起こしており、建設、梱包、輸送、クリーンエネルギーなど多岐にわたる分野で、壊滅的な波及効果をもたらす恐れがある。
シティによると、主に中東の混乱に関連した300万トン強の供給消失により、余剰生産能力がほぼゼロで、在庫が既に55年ぶりの低水準にある現在の市場は構造的な供給不足に陥っている。
需要が低迷したとしても今年は約270万トンの不足が見込まれ、今後6-12カ月で在庫は過去最低水準に落ち込むという。
シティは、需要の減退が限定的であれば、今後3カ月以内に1トン当たり4000ドルに達する展開は現実味を帯びており、価格は年後半に同水準で推移した後、強気シナリオでは来年5350ドルまでの上昇があり得ると指摘した。
18日のロンドン金属取引所(LME)のアルミニウム3カ月物は、1トン当たり3570ドルで取引された。
シティのアナリストチームは「短期的な価格変動やポジション解消が相場を圧迫する可能性はあるものの、深刻な景気後退が起きない限り、下値はますます限定的になっているようだ」と述べた。
その上で、中国の生産能力が制限されたままであり、中国以外の供給の伸びが中東の混乱に伴う継続的な不足を補うには不十分なため、システム全体の供給弾力性が低下していると分析。深刻な世界的景気後退だけが在庫を安定させる要因となるが、その場合でも在庫の再積み増しが起こる公算は乏しいとの見方を示した。
またエネルギーショックが経済活動に与えるダメージが現在の市場の懸念よりも軽微だと判明した場合、サイクル後半で価格が一段と急騰する可能性があり、時間の経過とともに需給が段階的に引き締まると予想している。