Deepa Seetharaman Jonathan Stempel Greg Bensinger

[オークランド(米カリフォルニア州) 18日 ロイター] - 生成人工知能(AI)「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIが設立当初の公益追求目的に背いたなどとして米実業家イーロン・マスク氏が起こした訴訟で、カリフォルニア州オークランドの連邦地裁の陪審員は18日、オープンAIに責任はないとの評決を下した。

陪審員の審議時間は2時間未満で、満場一致の評決でマスク氏が訴訟を起こすのが遅すぎたと判断した。

この裁判は、オープンAIおよびAI全般の将来にとって、その利用方法と、誰がその恩恵を受けるべきかという両面において、広く注目を集めていた。評決を受け、オープンAIは新規株式公開(IPO)計画を進める道筋が明確になった。

マスク氏は控訴する意向を表明し、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)とグレッグ・ブロックマン社長が同社について、巨額の富を得る手段と見なしていたと改めて主張。「(両氏は)実際に慈善団体を盗んで私腹を肥やした。唯一の問題は、彼らがそれをいつ行ったかだ」とXに投稿し、「慈善団体を略奪する前例を作るのは、米国の慈善活動にとって極めて破壊的だ」と書き込んだ。

判事は、マスク氏が訴訟を起こす前に時効が成立していたかどうかは事実問題であるため、控訴は困難な戦いになる可能性があると示唆した。

オープンAIは2015年にアルトマン氏やマスク氏らが設立した。マスク氏は18年に取締役を退任し、オープンAIは翌年に営利事業を立ち上げた。マスク氏はその後、自身のAIスタートアップ「xAI」を設立したが、現在は宇宙開発企業スペースXの一部門となっている。

マスク氏にはオープンAIを提訴する3年の時効期間があったが、実際には24年8月に訴訟を起こした。オープンAI側の弁護士は、マスク氏がオープンAIの成長計画について数年前に知っていたとして、提訴は遅すぎたと主張した。

マスク氏は訴訟で、オープンAIが設立時の使命から逸脱することで「慈善団体を盗んだ」と非難。オープンAIとマイクロソフトに対し、オープンAIの非営利部門に支払われるべき損害賠償として約1500億ドルを求め、アルトマン氏とブロックマン氏の解任も求めていた。

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、今回の評決により、オープンAIのIPOに向けた大きな懸念材料が取り除かれたと指摘。「アルトマン氏のイメージやリーダーシップに傷がついたとはいえ、同氏とオープンAIにとって大きな勝利だ」と述べた。

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