[北京 18日 ロイター] - 中国国家統計局が18日発表した4月の鉱工業生産と小売売上高は伸びが鈍化した。イラン情勢に伴うエネルギーコストの上昇や国内需要の低迷に直面する中、いずれも予想を大幅に下回った。小売売上高は3年超ぶりの低い伸びとなった。
輸出が市場予想を上回ったことや、国内の燃料価格統制がエネルギーショックの緩和に寄与した。ただ、投入コストの上昇は既に弱含む工場の利益率を圧迫する恐れがあり、紛争が長引けば消費者の支出意欲をさらに冷やしかねない。
4月の鉱工業生産は前年同月比4.1%増と、3月の5.7%増から伸び率が鈍化し、2023年7月以来の低い伸びとなった。ロイターのエコノミスト調査では5.9%増が予想されていた。
ピンポイント・アセット・マネジメントの社長兼チーフエコノミスト、張智威氏は「輸出企業の好調が内需の弱さをある程度緩和するのに役立ったが、完全に相殺するには不十分だった」と述べた。
4月の輸出は、人工知能(AI)関連業界からの受注急増や、イラン情勢に伴う世界の投入コストの一段の上昇を懸念して部品の積み増しを進める買い手の動きに対応するため、工場が生産を急いだことで加速した。
張氏は政府が1カ月分の低調なデータだけで政策方針を変更するとは考えていないとし、第2・四半期の国内総生産(GDP)データが発表される7月に方針を再評価する可能性が高いと述べた。
消費指標の小売売上高はわずか0.2%増にとどまり、3月の1.7%増から大幅に鈍化。22年12月以来の低い伸びとなった。予想中央値は2%増だった。
家計消費の脆弱さは4月の国内自動車販売にも表れた。自動車メーカーが国内の弱さを補うため海外市場の開拓に注力する中でも、4月の国内販売は前年同月比21.6%減と、7カ月連続で減少した。
コンファレンス・ボード中国センターの主席エコノミスト、Yuhan Zhang氏は「小売売上高の伸びは家計需要が依然として低迷していることを示しており、消費者は幅広い支出ではなく、特定の裁量的な支出やアップグレードに支出を集中させている」と指摘。ライフスタイルやテクノロジー関連の小規模なアップグレードへの支出が安定している一方で、住宅や収入に関連した高額な購入への意欲は弱く、二分化された景気回復を浮き彫りにしていると述べた。
全国調査ベースの失業率は4月に5.2%と、3月の5.4%から低下した。
1─4月の固定資産投資は1.6%減と、1─3月の1.7%増から予想外の減少に転じた。エコノミストは1.6%増を予想していた。
国内の粗鋼生産も投資の弱さを反映し、前年同月比2.8%減少した。
ゴールドマン・サックスのエコノミスト、Lisheng Wang氏はリポートで「信用需要の縮小や中国南部での大雨が、第1・四半期と比べた4月の固定資産投資の減少に寄与した可能性がある」と指摘。国家統計局による過去データの「統計修正」がボラティリティーを増幅させた可能性もあるとくぎを刺した。
4月の数値は、中国経済の第1・四半期の勢いがすでに衰えつつあることを示す初期の兆候となった。
1─4月の不動産投資の減少幅は前年同期比で拡大した。一方、新築住宅価格の前月比下落幅はここ1年で最小となり、地方政府が販売促進やセンチメント改善に向けた措置を講じる中で安定化の兆しも一部にみられた。
INGは4月の弱いスタートを踏まえ、第2・四半期は景気減速の可能性が高いとみている。
INGのチーフ中国エコノミスト、Lynn Song氏は「成長鈍化とインフレ加速は今後数カ月の政策決定を複雑にしかねない」と述べ、「今年これまで景気刺激策の緊急性は限定的だったが、データの悪化が続けばこの状況は早晩変わり得る」と語った。