Miho Uranaka

[東京 18日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の中島達社長は18日に開催した投資家向け説明会で、日銀の追加利上げによる収益押し上げ効果について、従来試算を上方修正したことを明らかにした。併せて、新たな中期経営計画期間中は毎期増配にコミットする方針も示した。

中島氏は、政策金利が0.25%引き上げられた場合、初年度の資金利益押し上げ効果は従来の1000億円程度から1100億円に拡大する見通しで、固定金利貸出の入れ替え効果などを含めると、5年後には1500億円規模まで広がると説明した。

中島氏は、足元のバランスシートの変化も踏まえて試算をアップデートしたと説明。これまで織り込んでいなかった固定金利貸出の入れ替え効果が段階的に顕在化するほか、貸出残高の増加や貸出スプレッド改善、国債のポートフォリオ再構築などが進めば、「プラス効果はさらに大きくなる」との見方も示した。

<新中計、毎期増配にコミット>

SMFGは先週、29年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を公表。収益性目標としては、欧米大手金融機関が重視するROTE(有形株主資本利益率)15%を中長期的に目指す方針を打ち出した。28年度には13%、純利益2兆円を目標に据える。

中島社長は「ようやく欧米の主要金融機関の背中が見える位置までたどり着いた」と述べ、「国内ビジネスでトップ、かつグローバルに存在感を発揮するプレーヤーを目指す。大胆な変革に挑戦する3年間になる」と強調。「従来の減配しないから一歩踏み込み、毎期増配にコミットする」との方針を掲げた。

国内では、個人向け「Olive(オリーブ)」と法人向け「Trunk(トランク)」を軸としたデジタルプラットフォーム戦略を推進する。オリーブは今後3年間で口座数を現在の750万件から1500万件へ倍増させる計画で、28年度の業務純益見通しも1100億円へ300億円引き上げた。AI(人工知能)活用も進め、金融・決済・資産運用を一体提供するサービスとして差別化を図る。

海外事業では、従来の貸出主体モデルから、アセットライト型ビジネスへの転換を加速する。米投資銀行ジェフリーズとの提携強化を通じ、M&A(合併・買収)や株式引受業務を拡大。インドでは出資したイエス銀行との連携を進める。アジアを中心とするマルチフランチャイズ戦略は、当初期待していた成果が実現できていない。中島氏は「背水の陣で収益化に取り組む」と語った。

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