Jun Yuan Yong

[シンガポール 15日 ロイター] - シンガポール航空は15日、中東情勢の緊迫による燃料価格の高騰を受けて、主要な競合他社が運航便を削減しているにもかかわらず、引き続き運航能力を拡大していく方針だと明らかにした。

同社は決算説明会で、現金79億シンガポールドル(61億9000万米ドル)を保有する堅固な財務状況に加え、中東での乗り継ぎを避けたい乗客の需要が依然強いことを指摘した。

リー・リク・シン最高商務責任者(CCO)は会見で「当社は運航規模を縮小する必要がない立場にある」と発言。「他社の状況についてはコメントできないが、当社の財務基盤は堅固であり、そのため運航規模を縮小するどころか、実際には拡大している」と語った。

同社は先週、シンガポールのハブ空港からバルセロナ経由でマドリードに向かう便を就航させ、今年後半にはマンチェスター、ミラノ、ミュンヘン、ロンドン・ガトウィック空港への便を増便すると発表した。

便数を増やす一方で、シンガポール航空は利益率の低下を指摘した。同グループの最大の経費項目であるジェット燃料価格の上昇を、運賃値上げだけでは完全に相殺できていないとした。

<エア・インディアの赤字>

シンガポール航空は14日、通期の純利益が57.4%減の11億8000万シンガポールドルとなったと発表した。前期に合弁会社ヴィスタラ(Vistara)のエア・インディアへの統合により計上された11億シンガポールドルの特別利益が今年はなかったことが要因だった。

25.1%出資するエア・インディアの赤字はシンガポール航空の利益をさらに圧迫している。

シンガポール航空のゴー・チュン・ポン最高経営責任者(CEO)は15日、エア・インディアへの投資は「長期的な取り組み」になるとし、「近道はない」と述べた。

エア・インディアへの資本注入の可能性については「他の株主と協議しなければならない問題だ」と語った。

DBSのアナリスト、ジェイソン・サム氏は、エア・インディアが変革計画を推進する中で、今後2─3年間はシンガポール航空の最終利益の足かせとなり続けると指摘した。

さらに、その変革計画に500機以上の新造機発注が含まれており、エア・インディアが依然として赤字を計上していることを踏まえると、シンガポール航空にとって多額の外部資金調達が必要になるとの見方を示した。

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