Miho Uranaka

[東京 15日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など大手銀行3グループが15日までに発表した2027年3月期純利益予想は、3社合計で前期比8.3%増の5兆7000億円となった。日銀の利上げを背景に資金利益が増加するほか、法人向けソリューション業務や手数料収益の拡大が業績を支え、各社とも過去最高益を見込む。一方、中東情勢の緊迫化など地政学リスクへの警戒感も示した。

<好業績踏まえ中期目標引き上げ>

MUFGは15日、27年3月期の連結純利益が前期比11.2%増の2兆7000億円になる見通しと発表した。4期連続の最高益更新を目指す。好調な業績を踏まえ中期経営計画の財務目標を修正し、27年度3月期の自己資本利益率(ROE)目標を従来の9%程度から12%程度に引き上げた。26年3月期のROEは11.3%で、グループ発足以来初めて11%台に乗せた。

みずほフィナンシャルグループも、同4.1%増の1兆3000億円を見込む。29年度3月期を最終年度とする業績目標について、連結業務純益を従来の1.4─1.6兆円程度から1.8─2.0兆円程度に、これまで10%超を目標としていたROE目標も、12%超まで引き上げた。

13日に4期連続での最高益更新見通しを示した三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の連結純利益予想は、前期比7.4%増の1兆7000億円だった。

26年3月期は、3社合計の純利益は前期比約33.9%増の5兆2500億円だった。

<リスク要因「さまざま」、引当金積み増しも>

業績に対するリスク要因については、MUFGの半沢淳一社長は決算会見で「さまざまある」としつつも、「業績への影響という観点では、現時点ではいずれも顕在化していないため、計画の設定には織り込んでいない」と話した。

中東情勢の混乱長期化の影響などはまだ不透明だが、先行きに備える動きもみられる。

みずほFGは将来の信用コスト増加に備える引当金を547億円積み増したほか、マーケットの混乱にも対応できるよう、約1500億円の有価証券ポートフォリオの健全化を実施した。木原正裕社長は会見で、リスクに対する体制を整え成長を図る方針を示した。今期1000億円の自己株取得を計画しているが、木原社長によると、中東情勢を踏まえた対応に加えリスクアセットが増加していることなどから、やや慎重にみているという。

SMFGも、同様の引当金を650億円積み増した。

一方、新型AI(人工知能)「クロード・ミュトス」などを巡ってはサイバーセキュリティー上の危険性も懸念されており、MUFGの半沢社長は「金融機関にとって重要なリスクの一つ」だと指摘。こうしたリスクに対応すべく銀行システムの脆弱(ぜいじゃく)性を検証する仕組みをすでに一部導入し、現在はグループベースで体制整備を進めているという。

欧米の一部で信用リスクが表面化しているプライベートクレジット関連では、みずほFGは3000億円のエクスポージャーがあるという。SMFGは、3月末で関連融資残高が1.2兆円あると開示している。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。