Chris Prentice
[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーは12日、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる肥満症・糖尿病治療薬の注射剤を1年にわたって投与していた治験後期段階の患者が、同社の新しい飲み薬タイプのGLP-1肥満症治療薬「ファウンダヨ」に切り替えた後、大幅な体重のリバウンド(増加)は見られなかったとする臨床試験結果を発表した。
トルコのイスタンブールで開催された肥満学会で発表されたこの結果によると、デンマーク製薬大手ノボノルディスクの注射剤「ウゴービ」からイーライリリーの「ファウンダヨ」に切り替えた患者は1年後に平均2ポンド(約0.9キロ)増量した。一方、イーライリリーのより強力な注射剤「ゼップバウンド」から「ファウンダヨ」に切り替えた患者は、平均11ポンド(約5キロ)の増量だった。
イーライリリーは、GLP-1クラスの肥満症・糖尿病治療薬を主力事業とする賭けを続けており、ノボノルディスクの「ウゴービ」の飲み薬タイプの競合となる「ファウンダヨ」を4月初旬に米国市場に投入したばかり。
複数のアナリストは、肥満症治療薬の売上高が今後10年で年間1000億ドルを超えると予想している。
イーライリリーは、今回の試験によりGLP-1薬の注射を止める際の大きな懸念事項であるリバウンドを抑えつつ、薬を切り替えて減量した体重の大部分を維持できることが示されたと強調した。
同社の心血管代謝担当プレジデント、ケネス・カスター氏はインタビューで「ウゴービを使用している患者なら、GLP-1の注射剤から経口剤に切り替えても、基本的には減量した体重をすべて維持できる。患者には今や選択肢がある」と語った。
今回の試験は、イーライリリーのチルゼパチド(製品名:ゼップバウンド、マンジャロ)またはノボノルディスクのセマグルチド注射剤(製品名:ウゴービ、オゼンピック)で72週間減量した後に「ファウンダヨ」に切り替えた患者を対象とした。
この切り替えから52週間後、以前にチルゼパチドを使用していたグループは「ファウンダヨ」による減量分の74.7%を維持した。これに対して、プラセボ(偽薬)を投与されたグループの維持率は49.2%にとどまった。
以前にセマグルチドを使用していたグループは「ファウンダヨ」により減量分の79.3%を維持したのに対し、プラセボ群は37.6%だった。