「女性の場合、賃金が低い仕事に就いている人が多いからではないか」と思われるかもしれない。なるほど、職業の分布を見ると女性は男性と比べて事務、販売、サービスといった仕事をしている人が多い。だが、これらの仕事に対する社会の依存度が高いのも事実だ。

<図2>は職業・年収別の有業者数をグラフにしたもので、円が大きいほど該当グループの人数が多いことを意味する。これによると、年収が低い事務、販売、サービスといった職業に従事する人が多いことが分かる。その多くは女性で、今の日本社会は安い女性エッセンシャルワーカーに支えられている、と言っていい。

保育や介護といったケア労働をイメージすると分かりやすいだろう。需要が多く、かつ資格を要する専門職であるにもかかわらず、賃金は低く抑えられている。「手取り20万円は高望み(ぜいたく)なのか」という声が現場で上がっているほどだ(弁護士JPニュース、2026年5月1日)。公共性が高く、市場原理が賃金に影響しにくい仕事なだけに、公的な補助金が末端の労働者にまで届くよう、指導・監督を強化すべきだろう。

そもそも、どのような仕事であれ、「週5日、1日8時間」働けば、真っ当な暮らしができるだけの賃金が保障される社会でなければならない。「1日8時間働けば、普通の暮らしができる社会を作る」。選挙でしばしば掲げられる公約だが、それだけの富は、今の日本社会は有しているはずだ。

<資料>
総務省「就業構造基本調査」2022年

【グラフ】フルタイムで働く男女の年収中央値
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