Maki Shiraki

[東京 12日 ロイター] - マツダは12日、2027年3月期の連結純利益が前年比2.5倍の900億円になる見通しと発表した。関税の影響下だが、主力SUV(スポーツ多目的車)「CX-5」の新型車を中心に販売拡大とコスト削減が貢献する。為替の円安も寄与する。純利益予想は、IBESがまとめたアナリスト13人の予想平均である876億円を上回った。

併せて、主力市場の米国での電気自動車(EV)の需要減速など事業環境の変化に対応するため、電動化投資も直近の計画から2割圧縮することも明らかにした。

今期の営業利益予想は同2.9倍の1500億円。前年実績に対し、原材料費や物流費の高騰が817億円圧迫するが、販売拡大などで698億円、原価低減などのコスト改善で776億円それぞれ押し上げる。為替の影響も798億円プラスとなる。

今期売上高は同11.8%増の5兆5000億円と過去最高を見込み、世界販売は同8.3%増の132万台を計画する。新型CX─5の世界導入がけん引する。欧州など電動化比率が高まっている市場でのEVの販売拡大も想定し、欧州は21%増を見込む。小型セダン「マツダ3」などの供給改善が寄与する米国は10%増の見通し。

毛籠勝弘社長は決算会見で、中東情勢により原材料の高騰が「通年で影響がある」として調達コストは注視する一方、同地域の販売規模は小さく「他地域で補えば、ほぼオフセットできると考えている」と話した。戦争前に生産した4000台の在庫は留め置いたままだが、「7月までの中東向け生産は完全に振り替えができている状況」といい、在庫分も「現地の状況をみて出せるタイミングで出していく」とした。

<電動化投資3000億円圧縮、自社製EVは2年先送り>

毛籠社長は「外部環境変化に左右されにくい、安定的に利益を生み出せる事業構造へ転換する」と指摘。EVなど電動化戦略の見直しも明らかにした。インフレ影響も踏まえた22─30年度までの累計電動化投資は、25年3月に公表した1兆5000億円から1兆2000億円に圧縮する。

車載用円筒型リチウムイオン電池をモジュール・パックする岩国工場(山口県岩国市)は「予定通り建設を始めており、計画通りに立ち上げる」方針だが、「電池の必要量が一番大きな見直しで、縮小した」と説明。自社製EVの投入時期も「当初の27年頭から2年ほど後ろ倒しする」と述べた。

毛籠社長はまた、「30年以降に電動化が本格的に加速する可能性が高まっている」との見方を示し、「30年時点でEVは20─25万台、世界販売の約15%をカバーする体制を構築する」と語った。従来は30年時点でEVの世界販売比率を25─40%とみていた。今後投入するハイブリッド車も当初の1車種から4車種へ拡大する。

小型車「マツダ2」の国内生産も8月末に終了する。マツダ2はかつて日本で「デミオ」の名称で販売され、国内ではCX─5に次ぐ売れ筋だが、毛籠社長は「マツダ2のようなハッチバックのセグメントが継続的に縮小している」と指摘。代わりに海外で生産する需要の旺盛なSUV「CX─3」の次期モデルを日本へ導入する予定。

同時に発表した26年3月期の連結純利益は、前年比69.2%減の350億円、営業利益は同72.3%減の516億円だった。米関税の影響が営業利益を対前年で1549億円圧迫した。

関税影響を吸収して黒字を確保できたことについて、毛籠社長は「固定費や原価低減など、現場が自分たちでコントロールできる領域へ徹底的に踏み込んでくれた」と説明。「行政、金融機関などの応援も力に変え、掲げた目標通りに従業員や取引先などがきっちり取り組んでくれたことが非常に大きかった」と振り返った。

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