[ドバイ 11日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は11日、現在のエネルギー供給ショックは世界史上最大規模であり、ホルムズ海峡の混乱が続けば石油市場の正常化は2027年にずれ込む可能性があると警告した。
ナセル氏は、10日に発表された同社の第1・四半期決算について説明するアナリスト向け電話会議で「供給の途絶が長く続くほど、たとえあと数週間であっても、石油市場の均衡が回復し安定するまでにより長い時間がかかる」と指摘。この状況が6月中旬まで続けば、回復は27年にずれ込む可能性があるとの見方を示した。
また、ホルムズ海峡の混乱が現在のペースで続き、海峡が封鎖されたままであれば、石油市場は毎週約1億バレルの原油供給を失うとし、「ホルムズ海峡を通る供給が途絶している限り、需要の抑制は続くと見込まれる」とした一方で、「通常の貿易と海上輸送が再開されれば、需要は力強く回復すると予想している」と述べた。
ただ、最も楽観的なシナリオでも、船舶の航路変更や遊休船舶の再稼働に時間を要するため、エネルギーやコモディティー(商品)のサプライチェーン(供給網)が紛争前の水準に戻るには数カ月かかるとの見通しを示した。
2026年の需要の伸びについてはさまざまな予測があるものの、日量70万─90万バレル程度の需要増加が見込まれると述べた。
ナセル氏はまた、先物市場と現物市場の間には明らかな乖離(かいり)があるとし、精製マージンの強さが市場の逼迫を反映していると指摘。供給の安全確保に向けた緊迫性が、戦略備蓄や商業在庫の急速な積み増しと再構築につながると述べた。
さらに、石油業界は埋蔵量の減少に対処する必要があり、そのために資金を振り向ける必要があるとの考えを示した。