M&Aで業界再編が進む外食業界
4月後半に初めて6万円を突破した日経平均株価は、5月に入りさらに大きく上昇。AI・半導体関連銘柄の株価が指数を牽引していますが、それらとは別の視点から注目したいのが、外食セクターの銘柄群です。外食業界では今、M&A(合併・買収)を通じた業界再編の動きが急速に進んでいます。
近年、長引くインフレによる食材費や物流費の高騰、さらに慢性的な人材不足が、外食産業の利益を大きく圧迫しています。加えて、配膳ロボットや注文タブレット端末の導入といったDXのための投資も、企業にとっては重いコスト負担となっています。
こうした中、個人経営の店舗の廃業が相次ぐ一方で、大手チェーンはM&Aによる規模の拡大や運営の効率化を推し進めています。経営者の高齢化に伴う事業承継問題も重なり、個人経営の飲食店はどうしても大手の資本力に押されがちな環境となっているのです。
実際、有名チェーンのM&Aが立て続けに起きています。たとえば、「すき家」などを擁する外食最大手のゼンショーホールディングス<7550>は、ロッテホールディングス<非上場>からハンバーガーチェーン「ロッテリア」を買収して話題となりました。
「ガスト」や「バーミヤン」のすかいらーくホールディングス<3197>も、九州地盤のローカルチェーンだった「資さんうどん」を買収。さらに直近では、炭火焼き干物食堂の「しんぱち食堂」をグループ化しました。
資本力のある大手グループが、優良なブランドを傘下に収める動きが活発化しているのです。ファミレスなどひとつのブランドや業態に依存するのではなく、多様な飲食店を束ねてリスクを分散させる「外食ポートフォリオ」の構築がトレンドになりつつあると言えます。
「丸亀製麺」などを展開しつつも独自路線を歩むトリドールホールディングス<3397>も、こうした流れの中で注目したい銘柄のひとつです。