ネットで出回っているワクチン関連の主張は、2024年に高麗大学ワクチンイノベーションセンターと米モデルナが発表した共同研究に起因する。
同研究の対象は、主に東アジアと欧州の一部地域で腎症候性出血熱(HFRS)を引き起こすハンタウイルスにある。モデルナは「mRNAアクセスプログラム」の下、外部の研究者に技術支援や材料を提供している。
この取り組みはまだ前臨床段階にある。つまり、人の臨床試験は始まっておらず、米国を含めてどこの国にも承認済みあるいは計画中のワクチンプログラムは存在しない。
ハンタウイルスは関連するウイルスの総称で、アジアや欧州、北米や南米に異なる株が存在する。そのうち1つの株に対するワクチンは、別の株に対しては効かない可能性がある。
「ハンタウイルスワクチンの研究は何十年も前から行われているが、初期のワクチン候補は欧州の一部の株に対する効果が低かった。モデルナのワクチンは複数の株にまたがって予防できるよう設計されている」。感染症に詳しいニューヨーク州立大学ストーニーブルック医学校のルイス・マルコスは本誌にそう語った。「科学の進歩においてはそれが普通だ。ウイルスと免疫反応について研究者がより多くを学ぶ中で、ワクチンが継続的に改良される」
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