「アルゴリズムが選んだ」という言い訳を与えてくれる
「最適化への欲望は人生の多くの部分は計画されていない方が良いだけでなく、計画されないことを求めているという事実を忘れさせてしまった。ありきたりな胸の高鳴りや傷跡といったものこそが真の愛の始まりに不可欠な要素なのに……」(シン氏)
米紙ウォールストリート・ジャーナル(2月10日付)によると、コンピューター科学を専攻する大学院生が3週間でプログラムを書き上げた。コロンビア大学、プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)にも広がり、数百万ドルの資金調達に成功した。
人気の背景には今どきの大学生の「恋愛不全」がある。現実世界で直接声をかけることに強い心理的抵抗を感じる。特に競争の激しいエリート大学では失敗への恐怖が恋愛をさらに難しくする。デート・ドロップは若者たちに「アルゴリズムが選んだ」という言い訳を与えてくれる。
似た者同士の繋がりばかりが強化される恐れ
無限に異性をスクロールする必要はなく、関係心理学に基づき毎週最も相性の良い人とマッチングするようアルゴリズムは設計されている。自分の意思や判断だけで誘ったわけではないので拒絶された場合の心理的ダメージを軽減できる。
スタンフォード大学で17年に始まった「マリッジ・パクト(結婚協定)」は心理学者らが作成した質問票を用い、将来結婚する相手を探すサービスとして100以上の大学に広がった。すでに35万組以上をマッチングし、結婚したカップルも出ている。
デート・ドロップは人脈形成ツールにも使われ始めている。一見すると閉鎖的なキャンパス内での繋がりを強化するが、実際には同質性の再生産を助長するリスクがある。異なるバックグラウンドを持つ学生の橋渡しではなく、似た者同士の繋がりばかりが強化される恐れがある。