Howard Schneider

[ワシントン 6日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は6日、生産性の向上は必ずしもインフレを低下させるわけではなく、企業や家計が将来の生産性向上を見越して支出を増やし始めれば、インフレ加速につながり、金融引き締めが必要になる可能性があるとの見方を示した。

グールズビー氏はロサンゼルスで開催されたミルケン研究所の会議向けの原稿で、企業がより少ない投入でより多くの成果を生み出せるようになれば物価が下がるという議論は直感的に理解できるとしつつ、「それが金利にとって何を意味するか」については依然として活発な議論が続いていると述べた。

また、「人々が将来の生産性向上を期待すれば、それはきょうの行動を変える可能性がある」とし、家計、企業、株主が所得と資産の増加を期待するようになるためだと指摘。「それは支出の増加につながり、生産性向上ブームが実際に到来する前に経済を過熱させる可能性がある。その場合、ファンダメンタルズからすれば、金利の引き上げが必要になる」と述べた。

グールズビー氏はまた、イラン戦争は経済にとってインフレショックの様相を強めており、雇用や成長への明確な影響はまだ見られないものの、サプライチェーン(供給網)の混乱やより持続的な物価上昇への懸念は高まっていると指摘。「雇用市場とインフレの双方に打撃を与え、連邦準備理事会(FRB)がどちらの目標がよりリスクにさらされているか判断せざるを得なくなるような、スタグフレーション方向のショックにはまだ至っていない」とした上で、「これは単なるインフレショックだ。そしてそれが長引けば長引くほど不安は高まる」と語った。

さらに、労働市場は比較的安定しているように見える一方で、インフレは5年間にわたってFRBの目標を上回って推移しており、その面での進展は止まっていると言及。より持続的なインフレの証拠は、コアサービス部門の持続的な価格上昇、より裕福な世帯における富裕層主導の支出、人工知能(AI)投資に関連する職種における賃金上昇から得られる可能性があるとの見方を示した。

そのほかグールズビー氏は、AIについて、「宣伝通りの効果があればすばらしいことであり、われわれを豊かにしてくれるだろう」との見方を表明。「だが、それがまだ将来の話であるなら、もう少し慎重になり、景気の過熱に注意する必要がある」とし、今後見込まれる生産性向上による富の増加を見越して消費を前倒しする動きが出れば、インフレ上昇リスクがあるとの認識を示した。

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