Nerijus Adomaitis Ahmad Ghaddar

[オスロ/ロンドン 30日 ロイター] - 米軍によるイラン港湾の封鎖でイランの原油輸出が大幅に減少し、イラン国内の原油貯蔵施設が飽和状態に近づく中、行き場を失った原油がタンカーに滞留するケースが増えていることが輸送データや関係筋の話で分かった。

石油分析会社ボルテクサによると、4月13─25日にオマーン湾を出航したイラン産原油を積んだタンカーはごく少数にとどまり、LSEGのデータで、米国が港湾封鎖を開始する前の3月の比較可能な期間のイランの原油輸出量(2340万バレル)から80%以上減少したことが分かった。

ただ、一部の船舶が追跡システムを停止し、米軍がイラン船籍のタンカーを引き返させていることから、イランが実際にどの程度の原油を輸出できているのか正確に把握することは困難になっている。

海運データ会社ケプラーによると、米国による封鎖開始以降にイラン産原油を積載したタンカーがオマーン湾を出るのは確認されていない。米中央軍(CENTCOM)は29日、「現時点で41隻のタンカーに積載された6900万バレルの原油がイランにとって売却不可能な状態にある」としており、米当局は封鎖によりイランが原油収入を断たれているとの認識を示している。

ただ、海運情報会社タンカー・トラッカーズによると、イランは圧力が強まる中でも主要輸出拠点であるカーグ島で原油の積み込みを継続。衛星画像でオマーン湾に面したチャーバハール港沖に少なくとも10隻のタンカーが停泊しているのが確認できる。

イランの2月の原油生産量は日量約324万バレル。その約半分を国内精製向けに回していた。ケプラーのヨハネス・ラウバル氏は、イランの国内貯蔵余力が限られていることから、早ければ1─2週間以内に生産削減を迫られる可能性があるとしている。コンサルティング会社FGEネクスタントECAは今月15日時点で、イランは6月中旬にも減産を余儀なくされる可能性があると推定していた。

イラン産原油の供給が減少していることで、世界の原油市場は一段と逼迫。原油輸送の要衝ホルムズ海峡が事実上閉鎖され、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、イラクからの輸出も制限される中、原油価格は高騰しており、北海ブレント先物は米国とイスラエルがイランに対する軍事攻撃を開始した2月28日以降、1バレル当たり約50ドル上昇している。

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