Echo Wang Isla Binnie
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米宇宙開発企業スペースXが新規株式公開(IPO)に際して証券当局へ提出した資料によると、同社のイーロン・マスク会長兼最高経営責任者(CEO)を解任する権限はマスク氏自身が握っている格好となっている。
資料では、マスク氏は「クラスB株の株主投票によってのみ、現在の役職から解任できる」とされている。スペースXの株式は一般投資家向けのクラスA普通株と内部関係者向けのクラスB株の二層構成となり、クラスB株は普通株の10倍の議決権を持つ。マスク氏はIPO後もクラスB株の過半数を保有し続ける方針だ。
資料は、仮にマスク氏が「クラスB株の大部分を長期にわたって保有すれば、同氏は取締役の過半数の選出と解任を支配し続けることができる」としている。
スペースXは資料で投資家に対し、この株式構成は「企業の問題と取締役の選出に影響を及ぼす株主の能力を制限もしくは排除することになる」と警告した。
スペースXとマスク氏はコメント要請に返答しなかった。
株式の二層構成は、創業者が主導するハイテク企業が上場する際に、創業者と初期の投資家に一般株主よりも多くの議決権を与える場合に一般的に見られる。しかし、CEO解任の権限を本人の議決権と直接結び付けるのは異例だ。
ハーバード大法科大学院のルシアン・ベブチャック教授はスペースXの条項について「普通ではない。通常、CEOの解任は取締役会の決定に委ねられるものだ」と述べた。