[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が29日発表した4月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比2.9%上昇し、伸びは前月の2.8%からやや加速した。イラン戦争を背景としたエネルギー価格の高騰が主因となった。ただ、コアインフレ率の低下は、コスト上昇圧力が経済全体には波及していないことを示した。

ロイターがまとめたアナリスト予想では、HICP上昇率は3.1%と見込まれていた。

エネルギー価格は前年同月比10.1%上昇した。

一方、変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア指数は4月に前年同月比2.3%上昇と、3月の2.5%から伸びが鈍化した。

エコノミストらは、エネルギーや食品などのコスト上昇が企業を通じて消費者に転嫁される「二次的効果」がまだ見られない点を歓迎した。ただ、紛争が長期化すれば状況が変わる可能性があるとも指摘した。

ハウク・アウフホイザー・ランペ・プライベートバンクのチーフエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は「今重要なのは、原油ショックの影響がコアインフレに及んでいないことだ」と述べた。

ZEW(欧州経済研究センター)のフリードリヒ・ハイネマン氏も、エネルギー価格高騰の広範な影響がまだ見られないことを歓迎しつつも、間接的な影響が顕在化するのは時間の問題かもしれないと警告。「ホルムズ海峡の封鎖が長引けば長引くほど、独のインフレプロセスが広がる可能性が高まる。そうなれば、車を運転しない人にとっても厳しい状況になる」と述べた。

独政府はすでにエネルギー価格の上昇を最新の経済見通しに織り込んでおり、2026年のインフレ率を2.7%、27年を2.8%と予想している。2025年は2.2%だった。

ドイツのインフレ統計は、30日に発表されるユーロ圏のインフレ率に先立つものとなる。ロイター調査によると、ユーロ圏の4月のインフレ率は前年同月比2.9%と、前月の2.6%から加速すると予想されている。

欧州中央銀行(ECB)は30日の理事会で政策金利を据え置く公算が大きい。ただ、市場では次回6月会合での利上げが議題に上る可能性が高いとみられている。

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