[シンガポール 29日 ロイター] - アジア開発銀行(ADB)は29日、中東紛争を踏まえ、アジア・太平洋地域の開発途上国の経済成長率見通しを今年4.7%、来年4.8%と見込み、それぞれ従来予想の5.1%から引き下げた。

2026年のインフレ率見通しは従来予想の3.6%から5.2%に上方修正した。

ADBの神田真人総裁は経済成長率見通しについて「大幅な下方修正」と表現し、紛争がエネルギー価格の上昇や金融環境の引き締まりを招き、域内の経済活動を圧迫していることを反映したと説明。世界のエネルギー・貿易ネットワークに対する一時的な変動ではなく、システミックかつ長期にわたる混乱に直面しているとの認識を示した。

ADBは、紛争がさらに激化すれば経済への打撃はより深刻になり得ると指摘。原油価格が5月に急騰し、その後高止まりした場合、アジア・太平洋地域の途上国の成長率は今年4.2%、27年は4.0%に押し下げられ、インフレ率は今年は7.4%まで跳ね上がる可能性があるとした。

その上で「中央銀行はインフレ期待を注視しつつ、過度な市場の変動を抑制することに重点を置くべきだ」と提言した。

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