[バンコク 29日 ロイター] - タイ中央銀行は29日、予想通り政策金利を据え置いた。中東紛争に伴う原油価格上昇の影響を見極める必要があるとする一方、低迷する消費と高水準の家計債務に直面する経済の下支えにも目配りする姿勢を示した。

金融政策委員会は全会一致で翌日物レポ金利を約3年ぶりの低水準である1.00%に据え置くことを決定した。2月の前回会合では利下げを実施していた。

中銀は会合後の声明で「中東紛争が企業コストの上昇と家計の購買力低下を通じて成長に直接的な影響を及ぼすことから、タイの経済成長率は鈍化する見通しだ」と説明。「インフレ率は2026年を通じて加速する見込みで、供給サイドの圧力が和らぐにつれ、27年には落ち着くと予想される」とした。

中銀は今年の経済成長率見通しを1.5%とし、2月時点の1.9%から下方修正した。27年の成長率は2.0%と予想した。成長率は昨年は2.4%で、域内で後れを取っていた。

世界的なエネルギー価格の急騰を背景に、今年の総合インフレ率は平均2.9%と予想。12月時点の見通し(0.3%)から大幅に上方修正した。中銀の目標レンジは1─3%。

輸出については、ハイテク製品への需要に支えられ、今年は8.1%増加すると予想した。第1・四半期の好調を背景に、12月時点の予想(0.6%増)から大幅に上方修正した。

ロイター調査ではエコノミスト28人全員が今回の会合での据え置きを予想していた。28人中24人は26年中は金利が据え置かれるとみており、4人は年末までに25ベーシスポイント(bp)の利下げがあると予想した。

中銀は「紛争の長期化や供給の途絶による下振れリスクを注視する必要がある。製造業や雇用に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。

次回の金利決定会合は6月24日に予定されている。

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