懸念されるのは、こういう問題が貧困層に集中しているのではないか、ということだ。スマホを持っている小4~小6児童のうち、「特にすることがない時、とりあえずスマートフォンを操作している」という子の割合は、年収200万未満の家庭では78.2%、年収1200万以上の家庭では56.5%。貧困層の方が20ポイント以上高くなっている。

<表2>は、スマホに関連する3つの項目の肯定率を、貧困層と富裕層で比較したものだ。①「することがない時はスマホを操作」、②「食事中もスマホが気になる」といった依存兆候の子の割合は、富裕層より貧困層で高い。③「知らない人とやり取りをする」の肯定率も同じだ。小6児童に限ると③の肯定率は貧困層で21.4%、富裕層で8.9%と、差がもっと大きくなる。

子どものスマホ所持率は、貧困層と富裕層で高い「二極構造」なのだが、依存傾向は前者で高い。それがもとで階層間の学力格差・進学格差が引き起こされ、貧困の世代連鎖が生じている可能性もある。現在では、スマホのインパクトはそれほどまでに大きい。

スマホは生活の利便性を高めてくれるツールだが、分別がつかない子どもに持たせると、依存症になったり、悪い大人と繋がって犯罪被害に巻き込まれたりもする。親の目が届かない間、心配だからとスマホを持たせるだけではダメで、正しい使い方を教える必要がある。動画やSNSのアプリの利用時間に制限をかける機能を入れるのもいいだろう。

子どものSNS利用、果てはスマホの所持そのものを禁じる、というような極端な政策はいただけない。SNSは、自分の創作物を発信し、他者からフィードバックを得ることのできるツールでもあって、その利用を禁じることは子どもの創造性の伸びを阻害することになる。スマホの所持を認めないなどは、今の情報化社会(デジタル社会)への適応を困難にしてしまう恐れがある。

大事なのは、分別のある適正な利用を促すことだ。学校での情報教育に期待される役割も大きい。

<資料>
国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査」(2022年度)の個票データ

【チャート】専用のスマホを持っている児童の割合(世帯年収階層別)
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