<ただでさえインフレと人手不足に苦しんでいるのに…外食産業にとって高市政権の進める食品の消費税ゼロ政策は追い打ちでしかない>

高市政権が進める食品の消費税ゼロ政策をめぐって外食産業に不安の声が広がっている。食品の消費税がゼロとなった場合、自宅での食事が増え、飲食店の来客数が減少する恐れがあるが、抜本的な解決策は見当たらない。加えて、外国人政策の変更によって人手不足がさらに深刻となっており、一部の業態では抜本的な構造転換を余儀なくされている。

外食産業はコロナ危機で大きく客足が落ち込み、居酒屋など一部の業態は危機的状況に陥った。だが、コロナからの回復に歩調を合わせ、表面上の売上高は従来水準に戻している。ところが中身を精査すると、数字とは大きく懸け離れた実態が見えてくる。

多くの業態で顕著となっているのは客数の大きな落ち込みである。近年、激しくなったインフレの影響で国民の購買力は大きく低下しており、外食に回せるお金が少なくなった。客数が減っているのに売上高を維持できているのは、客単価(利用者1人当たりの金額)が上昇したからである。つまり、客数の減少をメニューの値上げでカバーしているにすぎない。

値上げを実施できる人気店や、もともと価格が高い高級店は何とかなるが、価格を上げると客数が大きく落ち込む業態の場合、そう簡単には値上げに踏み切ることができない。外食産業全体として、値上げに耐えられる店舗とそうでない店舗の二極分化が進んでおり、淘汰される事業者が増えている。

この状況に拍車をかけそうなのが、高市政権が進める食品の消費税ゼロ政策である。食品の消費税がゼロとなり、一方で外食が10%に据え置かれると、一部の利用者は飲食店に行かなくなってしまう。

飲食店の倒産は過去30年で最多に
【関連記事】