Ritsuko Shimizu
[東京 28日 ロイター] - 信越化学工業は28日、2027年3月期の業績予想を未定と発表した。中東情勢に起因するエネルギーや基礎資材の供給制約と価格変動を踏まえ、現時点で合理的な予想を立てにくいと判断したという。
斉藤恭彦社長は会見で「イラン戦争の終結は見通せず、中東情勢は予断を許さない。湾岸諸国の石油施設や石油化学施設の復旧にはかなりの年月を要する」との見方を示した。こうした状況が直接的に与える影響は「現時点で限定的。前広に取り組んだため、生産に支障は一切起きていない」とした。ただ、今後「どのように変動していくかは見通し難い」とし、業績見通しは開示が可能となった時点で行うとした。
IBESがまとめたアナリスト18人の純利益予想平均値は5566億円だった。
原料となるエチレン価格の高騰などを背景に、建築用資材や上下水道管などに使われる主力製品の塩化ビニール樹脂や電子部品、化粧品、塗料など幅広い分野で使われるシリコーンなどを相次いで値上げに踏み切っているほか、海外でも値上げを進めている。
26年3月期の連結営業利益は前年比14.4%減の6352億円、純利益は同11.2%減の4744億円となった。電子材料は、AI(人工知能)関連が好調で増収増益となったものの、生活環境基盤材料は大幅減益となった。
同日、発行済み株式の2.42%に当たる4500万株・2500億円を上限とする自社株買いも発表した。取得期間は5月21日から2027年4月27日。