Matt Tracy
[ワシントン 27日 ロイター] - ムーディーズが公表した最新リポートによると、投資ファンド向け金融市場の規模は今年、プライベートクレジット市場の急成長を背景に1兆ドルを突破した。
近年より多くのファンドを立ち上げているプライベートクレジットの貸し手にとって、こうした金融市場は「重要な支え」になっているという。
ムーディーズの指摘では、プライベートクレジット・ファンドは、運用資産の純粋価値(NAV)を担保とする融資の借り手、貸し手双方で重要な役割を担うようになった。NAV融資は返済期間が長く、審査も柔軟な半面、裏付け資産のリスクが高く、貸し手側はより高いリターンが期待できる。
投資ファンド向け金融市場では、NAV融資と投資家の出資コミットメントの両方を担保とするハイブリッド型ファイナンスも増加している。
またムーディーズのアナリストチームは、最近の人工知能(AI)がソフトウエア業界にもたらした「破壊的混乱」と、ソフトウエア業界に投資するプライベートクレジット・ファンドに対する投資家の解約請求が高水準に達している事態に懸念を示した。
同チームは「米国の直接融資における資産の質が低下しており、AIに起因する混乱の拡大が特にソフトウエア企業に関する追加的なストレスを生み出している」と記した。
ムーディーズは、市場が拡大するとともにプライベートクレジット・ファンドの運用者にとっては、適切な与信審査の規律を維持し、レバレッジの上にさらにレバレッジを重ねる構造については厳格なストレステストを実施することが必要不可欠になっていると提言した。