Howard Schneider

[ワシントン 27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は28-29日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。エネルギー価格が高止まりし、イラン情勢に改善の兆しが見えず、経済の先行き不確実性がくすぶる中で、政策金利は3.50-3.75%に据え置くことを決める見通しだ。

次期FRB議長にケビン・ウォーシュ元理事を指名したトランプ大統領の人事については、議会上院で与党共和党のティリス議員が承認阻止方針を撤回。ウォーシュ氏の次期議長就任への障害がなくなったことから、5月15日の任期終了を控えたパウエル議長にとっては今回が議長として臨む最後のFOMCになりそうだ。

注目ポイントの1つはFOMCの声明やパウエル議長の会見で、今後物価上昇が加速した場合、年内に利上げする可能性が示されるか。もう1つはパウエル氏が、ウォーシュ氏の議長就任後も理事としてFRBに残ると言及するかどうかとなる。

前者に関しては、米国とイスラエルが2月28日にイラン攻撃を開始してから8週間が経過した今もなお、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、原油やその他重要製品の物流の世界的混乱が続いている以上、政策担当者はインフレのリスクをより真剣に考慮せざるを得なくなっている。

FRBとしても、物価上昇のスピードが上がり続けるならば利上げで対応することもあり得るというメッセージを発信する時期が到来したかもしれない。

市場でも、少なくとも利下げ観測は後退している。

先週ウォラー理事は「エネルギー価格の高止まりとホルムズ海峡の通航制約が長引くほど、さまざまなモノやサービスに物価上昇が定着するとともに、幅広い物流混乱の影響が顕在化し、実体経済活動と雇用が減速し始める公算が大きくなる」と語り、従来のハト派姿勢を弱めた。

ウォラー氏は、物価上昇と労働市場軟化のどちらにもFRBが対処を必要とする「政策担当者には非常に複雑な」事態になりかねないとの見方も示した。

こうしたジレンマについてウォラー氏は金利据え置きを意味し得ると述べたが、3月17─18日の前回FOMCでは利上げが必要になる可能性に言及するメンバーが増えていることが分かっている。

つまり今回のFOMC声明にFRBの次の一手が利下げ・利上げどちらもあり得ると示唆する表現を盛り込むかどうかの議論を行う素地は既に整った。実際そうした声明内容が出てくれば、金融政策の大幅な軌道修正になる。

セントルイス地区連銀のムサレム総裁は今月のロイターのインタビューで金融政策に関して、現時点では「適切な位置にあり、恐らくはしばらく今の金利水準を維持するのが適切になると思う」と述べた。

それでもムサレム氏は、原油高が長期化すれば基調的な物価上昇率を押し上げ、足元で落ち着いているインフレ期待が不安定化しかねず、その段階では利上げが適切ではないかとも指摘した。

FOMCメンバーの中で、政策金利を今据え置くことに異を唱える向きはほとんどいないだろう。最も積極的に利下げを提唱してきたミラン理事でさえ最近、物価情勢が「やや好ましくない」形になっている以上、これまで提示してきた利下げペースを緩めることを考慮していると発言した。

ただ今回のFOMC声明で次の一手に利上げを含む可能性を盛り込む形に文言が修正されるかどうかは本当に分からない。

バンク・オブ・アメリカのエコノミストチームは先週のノートに「イラン戦争に起因する物価上振れリスクは解消されていない。労働統計は改善している。大きな問題は声明文のフォワードガイダンスの文言で政策が(上下)双方向に動くリスクを示唆するかどうかだ。われわれは示唆しないと考えているが、確率は五分五分。パウエル氏がタカ派的な言い回しになる公算は大きい」と記した。

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