Humeyra Pamuk Andrew Gray Lili Bayer
[ワシントン/ブリュッセル 27日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)は、首脳会議を年1回開催してきた最近の慣行を取りやめることを検討している。6人の関係者がロイターに明かした。背景には、トランプ米大統領との無用な摩擦を回避したい狙いもあるようだ。
トランプ政権はNATO批判を繰り返しており、直近ではイランに対する軍事作戦への支援姿勢に不満を表明した。
NATO創設以来77年の歴史を通じて見ると、首脳会議の頻度は必ずしも一定していない。ただ2021年以降は毎年開かれ、今年は7月7─8日にトルコの首都アンカラで予定されている。
しかし、ある欧州の高官と5人の外交官(全てNATO加盟国)はロイターに、一部加盟国が首脳会議開催の間隔を延ばすよう働きかけていると語った。
外交官の1人は、アルバニアで来年開く首脳会議は秋になり、28年は開催なしとする方向で検討が進んでいると話す。28年は次期米大統領選が実施され、トランプ氏にとっては2期目最後の年だ。
別の関係者は、一部加盟国が首脳会議開催を2年ごとにする提案を推進していると述べ、まだ何も決まっておらず、最終判断はルッテ事務総長が下すと付け加えた。
2人の関係者はこうした動きが出ている要因の1つはトランプ氏だと言及した。一方でトランプ氏に限らずより幅広い観点で検討が行われているとの声も複数出ている。
首脳会議の毎年開催は、そのたびに何か注目を集める成果を提示することを迫られ、肝心のより長期的な計画策定に集中できなくなるといった弊害は、外交官や専門家から長年指摘されてきた。
外交官の1人は「首脳会議開催を減らす方が、ひどい会議になるよりもましだ」と説明した。
他の関係者は、議論と決定事項の質こそがNATOの強さを推し量る上で本当の尺度になると強調した。
米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのフィリス・ベリー非常勤上級研究員は先週、冷戦期間の数十年でNATOは計8回しか首脳会議を開催しなかった半面、トランプ氏の1期目に開かれた3回の首脳会議は加盟国の防衛費の少なさについて同氏が苦情を言い立てる単なる「論争イベント」という側面が大半だったと指摘した。
NATO高官の1人はロイターの問い合わせに対して「今後も定期的に首脳会議を開催していく。首脳会議の合間にも加盟国は引き続き、共通の安全保障に関する協議や計画策定、意思決定を行う」とコメントした。