Tomo Uetake
[東京 27日 ロイター] - 国内生命保険会社の2026年度運用計画では、超長期金利の上昇余地は大きくないとの見方から、一般勘定資産運用の軸となる円債の残高を増やす機運が生まれている。一方、過去の超低金利の時期に購入した債券を売って、より利回りが高い債券に入れ替える動きを中心とする会社も多く、生保勢の買いによる超長期金利の押し下げまでは想定しにくい状況となっている。
ロイターが24日までに国内主要生保10社に聞いた運用計画によると、今年度は4社が円債の保有残高の増加を計画している。
このうち明治安田生命は「昨年度は金利先高観から円債の買い入れをかなり抑制してきたが、今年度はそれを逆転して1兆円の単位で買い増していく」(北村乾一郎執行役員・運用企画部長)とスタンスの転換を明言した。大同生命、富国生命、太陽生命も積み増しを計画する。
かんぽ生命も「日本にいよいよ金利のある世界がやって来た。パラダイムシフトを考える時だ」(野村裕之執行役・運用企画部長)と指摘。保有債券の償還額が大きいため残高としては横ばいを見込むが、「利回りが魅力的な水準にきているのは間違いない。買い目線だ」と円債投資を積極化する考えを示している。
背景には、超長期金利の上昇は最終局面にあり、ピークアウト感が出てきたとの見方がある。生命保険契約という長期の円建て負債を抱える生保が主な投資対象とする30年国債の利回りについては、発行の減額も寄与し、年度末に足元の3.66%から横ばい圏での着地を見込む会社が多く、今年1月につけた過去最高水準の3.88%を大きく上回る公算は低いとの見方がコンセンサスといえる。
もっとも、生保勢が超長期国債市場の安定的かつ主要な買い手として、今年度再び台頭するとまでは見込まれていない。
規制対応目的の買いは25年度までにほぼ終了し、日本生命や第一生命といった大手では、26年度も前年度に続いて円債運用は低クーポン債の入れ替えが中心。残高は減少か横ばいを計画する会社が依然多いためだ。生保各社にとって債券の入れ替えは、減損リスクの低減やポートフォリオの「質」を高める効果がある。
入れ替えの規模については「現時点では過年度ほどの規模は計画していない。25年度の3.9兆円より少なく、24年度の2兆円もいかないくらい」(日本生命の石田大輔執行役員・財務企画部長)との声がある。生保勢の入れ替え売買による「既発債」への売り圧力は一定程度弱まっていく公算が高く、超長期国債の市場全体の安定化につながる可能性がある。
※「国内主要生保の2026年度資産運用計画・市場見通し」一覧はこちらでご覧いただけます。
(植竹知子 取材協力:金融マーケットチーム、編集:平田紀之 石田仁志)