アメリカとイスラエルが仕掛けたイランとの戦争は、サウジアラビアを厳しい立場に追い込んでいる。

既に経済面でさまざまな問題を抱えていたサウジは支出削減と大型プロジェクトの延期を余儀なくされている。また、今回の紛争を踏まえて自国の防衛産業への投資と武器調達の多様化を引き続き進める見通しだ。ムハンマド皇太子が主導した新興プロゴルフリーグは打ち切り検討に入り、プロサッカーチーム「アル・ヒラル」の所有権の70%を手放した。

わが国は戦争を望んでいない、アメリカの「エピック・フューリー(壮大な怒り)」作戦と無関係であり、外交的解決を支持している──そう公言しているにもかかわらず、イランとその代理勢力の攻撃を受けている。サウジ政府は反撃の権利を「留保する」と表明しているが、今のところ武力行使には出ていない。

中東で最も重要な大国として影響力を高めていると自負するサウジだが、地域の戦乱に直面している今は曖昧な立場に終始している。国益に関わる問題なのは明白だが、行動する代わりに強い調子の声明を出すだけだ。

想定される「3つの結末シナリオ」