<銃乱射事件はまれ>

「正直なところ、一般市民の銃所持には強く反対だ」と、銃撃事件が起きたホロシイフスキー地区に住むダリーナさん(31)は話す。「米国で何が起きているか見れば分かる。銃の所持が認められていて、乱射事件が多発している」

米ルイジアナ州では19日、男が自分の子ども7人と別の未成年者1人を殺害し、その後、警察の追跡を受け射殺された。

米国とは異なり、ウクライナでは銃乱射事件は極めてまれだ。内務省によると、戦争前の21年には爆発物が使用されたものも含めた武器による暴力事件が273件あった。23年までに、その数は1万1000件以上に増加した。

銃規制緩和に反対する人々の中からは、市民の銃携帯が乱射事件が起きた場合の犠牲者軽減につながるのか、根拠が不明確だと指摘する声もあがる。

「実際に銃を使用し、その結果を理解することはおろか、銃を使うべきかどうかを判断しなければならない状況に一度も置かれたことのない人々から、(銃所持)賛成の意見が多く聞かれる」と、野党所属で議会防衛・安全保障委員会のロマン・コステンコ委員は話す。

豊富な実戦経験を持つコステンコ氏によれば、武器による自己防衛の事例を裁くウクライナの法制度がいかに不向きか、市民の理解が欠けているという。

多くの反対派は、銃器へのアクセスを拡大すれば、危害を加えようとする者たちがより容易に入手できるようになると主張している。

キーウの事件で容疑者の男は、登録済みの銃を所持していた。

「この男は銃所持を認められていた。なぜ、将来は善良な人々にのみ武器が与えられ、悪人から私たちを守ってくれるといえるのか」と、野党所属のインナ・ソブスン議員は述べた。

前出のフリス氏は、運転免許教習所のような厳格な規制の下で、銃所持許可申請者や銃器講習所に対する審査制度を整備すれば、そうしたリスクを最小限に抑えられると主張する。

同氏は、そのようなシステムを構築するには少なくとも1年間の移行期間が必要だと述べた。また、正当防衛の権利と限界を定義するため、刑法を改正することが極めて重要だと指摘した。

ロシアとの戦闘で銃はすでに広く流通