GWとインバウンド、両獲りの5月

さらに、今年のゴールデンウィークには、イラン情勢と原油高の影響を受けた消費の変化が起きています。

海外旅行は円安や燃料サーチャージの影響で依然として高く、国内の航空運賃も上昇しているため、移動そのものにかかる負担は確実に増しています。それでも人々は旅行をやめません。大手旅行会社の見通しによれば、2026年の国内旅行者数は前年並みで推移しています。

その一方、一人あたりの旅行費用は前年比でおよそ3%増加。ここから見えてくるのは、旅先での体験や消費にはお金をかける傾向です。「遠くへ行く」よりも「その場でどう使うか」。このとき、多くの人は「ちょっといいもの」を選びがちです。いわゆる「ご褒美消費」です。

こうした消費者心理は、寿スピリッツの戦略とも非常に相性が良いと考えられます。

■インバウンドも量から質へ

さらに注目すべきは、インバウンドです。海外からの訪日客数は回復していますが、その中身は変化しています。かつての爆買いは減少し、消費は選別型へと移行しています。

これは一見すると、寿スピリッツには逆風のように感じられます。ただ、これまでの中国人観光客メインの「量の消費」から、韓国・台湾や欧米も含む「選ばれる消費」へとインバウンドの軸が移るなら、寿スピリッツの高付加価値路線にはむしろ追い風になり得ます。

国内客・訪日客それぞれの消費を両獲りできる点は、他の小売企業にはない強みと言えるでしょう。

決算発表が株価の転換点となるか

そんな寿スピリッツですが、株価はここ数年、調整局面が続いていました。成長率の鈍化や原材料価格の高騰による利益率低下、中国人観光客の減少といった要因が重なり、これまでの成長期待は一巡しています。ただし現在は、こうした悪材料を相応に織り込んだ水準にあります。

寿スピリッツの株価チャート 2024年〜2026年4月
株価上昇への鍵は、5月の決算発表
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