暗号資産(仮想通貨)の起業家であるジャスティン・サン氏は、トランプ米大統領の一族が関与する暗号資産ベンチャー「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」を西部カリフォルニア州の連邦裁判所に提訴した。サン氏は自身の暗号資産トークンがWLFによって違法に凍結されたと主張している。
WLFはトランプ氏と息子3人、ウィットコフ中東担当特使の息子であるWLF最高経営責任者(CEO)のザック・ウィットコフ氏らが2024年に共同で立ち上げた。ザック氏は21日に短文投稿サイト「X」でサン氏の主張について「全く根拠がなく、WLFは本件が速やかに却下されることを期待する」としつつ、サン氏は「WLFが自社と顧客を守るために措置を講じざるを得ないような不適切な行為をした」と書き込んだ。
訴状によると、サン氏はWLFが発行するトークン「WLFI」を4500万ドル相当購入し、WLFのアドバイザーに任命されたことで10億枚のトークンを受け取った。2025年9月に自身のトークンが取引可能になった後、WLFが売却を阻止するためのツールを密かに導入したとし、サン氏のデジタルウォレットにトークンが残っているにもかかわらず、WLFがそれを永久的に削除すると脅したという。
ロイターが直近のWLFIの価格に基づいて算出したところ、サン氏が保有する40億枚のWLFIは約3億2000万ドル相当の価値を持つ。
トランプ氏の息子で、WLFの共同創業者のエリック氏は21日の「X」への投稿で「この訴訟よりもばかげているのは、壁にガムテープで貼り付けたバナナに600万ドルを費やすことだけだ」と書き込んだ。これはサン氏が2024年11月、粘着テープで壁にバナナを貼り付けたイタリアの芸術家マウリツィオ・カテランさんの作品「コメディアン」を600万ドルで購入したことを揶揄している。
WLFの広報担当者はコメントを拒否した。WLFの代表者はロイターに対して今週、サン氏は「WLFのアドバイザーではなく、当社で実務的な役割を担ったことは一度もない」と話していた。
ホワイトハウスはコメントの要請に応じなかった。
