Noriyuki Hirata
[東京 23日 ロイター] - 23日の東京株式市場で日経平均は初めて6万円の大台に乗せた。米国とイランの停戦協議が延長されたことを受けた米株高が、投資家のリスクオンムードを後押しし、人工知能(AI)・半導体関連株が引き続きけん引している。一方、大台乗せ後は利益確定売りとの綱引きになっている。物色が2極化する「K字相場」の側面が意識される中、企業決算の発表シーズンでもあり業績を見極めたいムードもある。
東海東京インテリジェンス・ラボの澤田遼太郎シニアアナリストは、日経平均の6万円乗せについて「日本株に対する先高観がしっかり期待されている」との見方を示す。日経平均への寄与度の高いソフトバンクグループやアドバンテスト、東京エレクトロンといった人工知能(AI)・半導体関連株が総じて上昇し、指数を押し上げている。
AI・半導体関連は旺盛なデータセンター投資が継続する中で「業績のいい銘柄が買われているため、必ずしも過熱感があるわけではない」とりそなホールディングスの武居大暉市場企画部ストラテジストはみている。前日の米国市場では株価の主要3指数が上昇し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.7%高となった。
半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は設備投資に前向きな姿勢だ。生産体制が整うにつれて米半導体大手エヌビディアなどのバリュエーションが引き上がってくる可能性があり、日本株は米株につれて一段高となる可能性も意識されている。
<NT倍率16倍に拡大>
もっとも、日経平均は大台を捉えた後は、利益確定売りに押されて上昇の勢いが一服している。一時マイナスに転じる場面もある。急ピッチな上昇を経て、企業業績が株高を正当化するか決算を見極めたいとの声は根強い。
松井証券の窪田朋一郎チーフマーケットアナリストは「イラン情勢の悪影響を受けるところは伸び悩んでいる。足元は『K字型相場』の様相で、物色が二極化している」と指摘する。
東証プライム市場の値上がり銘柄数は2割に満たず、8割近くが下落している。業種別ではサービスや小売といった内需系銘柄が弱い。日経平均とバリュー株が軸となるTOPIXの比率を示すNT倍率は初めて一時16倍に拡大し、ハイテク偏重の側面も警戒されている。
企業決算では、半導体関連銘柄は好業績を示す可能性があると松井の窪田氏はみており、日経平均は6万2000円程度までは上値を伸ばすとの見方を示す。一方、TOPIXの上振れは難しいかもしれないという。「原油高はすぐに収まらず、実体経済は悪影響を受けるリスクもくすぶる。AI関連銘柄は上昇するものの、それ以外はついていけないような状況が続きそうだ」と窪田氏は話す。
ハイテク株にしても、株価はいったんのスピード調整への警戒がつきまとう。東海東京の澤田氏は「(NT倍率の拡大は)未知の領域に入ってきている。そろそろ反転も注意しなくてはいけない」と話す。ハイテク株の株価が修正される局面では、時価総額の大きな商社や銀行に物色が入る可能性があると澤田氏はみている。