若年性肺がん疫学研究プロジェクトのデータを分析した結果、50歳未満で肺がんと診断された患者187人のうち、女性が78%を占めていたことが判明した。患者のほとんどは喫煙経験がなく、腫瘍の種類は喫煙者に多くみられる肺がんとは生物学的に異なっていた。
そこでライフスタイルを調べたところ、特に顕著な要因が一つあった。若年性肺がんの患者は果物や野菜、全粒穀物の摂取量が一般平均よりもはるかに多く、全般的な食生活の質を測る「健康的な食生活指数」では高得点をマークしていた。
「健康的な食品の摂取量が一般平均よりも多い若年の非喫煙者の方が、肺がんを発症する確率が高いことが、我々の研究で分かった」。今回の調査を率いた南カリフォルニア大学のホルヘ・ニエバ医師はそう指摘する。「一般常識に反するこの結果は、環境リスク要因について重要な疑問を生じさせた。本来は健康的なはずの食品に関連する肺癌のリスク要因は、対応を必要とする」
ニエバのチームはこのリスク要因について、農薬の可能性があると推測している。
ただし専門家は、果物や野菜そのものに害があるとは見ていない。
ニエバによると、商業生産の(非有機栽培の)農産物は、加工食品や乳製品、肉類に比べて残留農薬が多い傾向がある。過去には農薬を使用する農業従事者の肺がん発症率が高いという研究結果もあり、ニエバの仮説をある程度裏付けている。
外部の専門家は、今回の研究結果を理由に野菜や果物の摂取量を減らさないよう呼びかけている。野菜や果物の多い食生活が、心臓病や脳卒中、肥満、さまざまながんのリスク低下と関係していることは、長年の大規模研究で裏付けられている。
ニエバはMedical News Todayにこう語った。「我々の研究でもアメリカの平均でも、女性の食生活の方が男性よりもはるかに健康的に思える。従って、全粒穀物や果物、野菜に含まれるかもしれない汚染物質の相対的な摂取量も多い可能性がある」
環境保護団体の環境ワーキンググループ(EWG)が今年発表したレポートによると、潜在的に有害な残留農薬の量が多い農産物のワーストランキングは以下の通り。ランキングは47種類の果物と野菜、5万4344点について、アメリカ農務省が行ったサンプル検査に基づく。
- ホウレンソウ
- ケール、コラードグリーン、マスタードグリーン
- イチゴ
- ブドウ
- ネクタリン
- モモ
- サクランボ
- リンゴ
- ブラックベリー
- 洋ナシ
- ジャガイモ
- ブルーベリー
研究チームはさらなる調査を行って農薬にさらされる量を直接的に測定し、若年性肺がんに関係しているかどうかを確認する必要があると指摘している。
農薬が気になる場合、特に残留農薬の量が多い果物や野菜については、よく洗って必要に応じて皮をむくことが勧められる。できれば有機栽培の農産物を選ぶことも助けになる。