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[東京 21日 ロイター] - 政府は21日、防衛装備移転三原則の運用指針を改定した。2014年に武器の禁輸政策を転換して以降、徐々に緩和が進められてきた規制は、今回の見直しで戦闘機やミサイルを含むすべての武器の輸出が可能となる。
同じ仕様の武器を使用することで、価値観を共有する国々の軍隊と自衛隊の連携を強化するほか、東南アジア諸国やオーストラリアなどとのサプライチェーン(供給網)構築を主導する狙いがある。日本の防衛企業の市場を自衛隊以外にも広げて国内の生産基盤を強化し、戦闘の継続能力を高めることも目的としている。
木原稔官房長官は同日午前の閣議後会見で、「わが国にとって望ましい安全保障環境を創出するため、また継戦能力を支える産業基盤を強化するため、防衛装備移転を戦略的に推進していく」と述べた。一方で、「80年以上にわたり築いてきた平和国家としての基本理念を堅持する」とし、「移転後の管理状況のモニタリング体制を強化し、適正な管理を確保していく」と語った。
レーダーや輸送車両など、従来から移転可能だった殺傷・破壊能力のない装備品については輸出先に制約を設けない。一方、新たに輸出品目に加えた殺傷・破壊能力のある武器については、自衛権の行使のみに使用することを日本と約束した国に輸出先を限定した。「武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国」への輸出は原則として認めないことも運用指針に盛り込んだ。「わが国の安全保障上の必要性を考慮し、特段の事情がある場合は例外的に移転できる」との例外規定も設けた。
案件ごとに国家安全保障会議(NSC)が輸出の可否を決定する。国会の事前承認は必要とせず、決定後に全議員へ通知する。日本の同意なく第三国へ移転されていないかなど管理状況を把握するため、輸出先には監視の受け入れを求める。
海外企業の買収や出資など、日本企業による防衛関連の対外直接投資についても規制を緩和した。これまでは「厳に抑制する」との認識が共有されていたが、今回の運用指針改定で「防衛装備移転三原則の趣旨を踏まえた運用を行う」と明記した。
日本は1976年から武器輸出三原則の下で武器の禁輸政策を続けてきた。安倍晋三政権下の2014年に防衛装備移転三原則を導入し、輸出品目を救難・輸送・警戒・監視・掃海のいわゆる「五類型」に限定して認める方針に転換した。今回の改定で、殺傷・破壊能力のある武器にも対象が広がった。