Siddhi Mahatole

[20日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーは20日、独自のがん免疫療法を手がけるバイオ医薬品企業ケロニア・セラピューティクスを最大70億ドルで買収すると発表した。

イーライリリーとしては、主力の肥満症治療薬が競争激化に直面する中、有望ながん治療分野の製品を拡充する狙いがある。これまでも同社は事業多角化に向けてさまざまな企業買収に動いてきた。

ケロニアは、患者の免疫細胞(T細胞)を改変してがん細胞を特異的に攻撃する免疫療法(CAR-T療法)をさらに工夫し、従来体外で行われていたT細胞の改変を患者体内で実施できる「in vivo CAR-T療法」を開発している。

同療法の主力候補の一つ「KLN-1010」は、骨髄の形質細胞に発生する「多発性骨髄腫」を対象とした初期臨床試験が進められているところだ。

ケロニアの取締役を務めているベンチャーキャピタル、ベンロックのブライアン・ロバーツ氏は、投資家の観点から、ケロニアの主力製品が5年以内に市場へ投入されれば成功だとの見方を示した。

またロバーツ氏は、イーライリリーが多額の資金投入を決断したことについて「データの確かさを裏付ける」と指摘。この治療法が多発性骨髄腫で最高水準に達する可能性があり、大きな市場となる潜在性を秘めていると付け加えた。

今年後半に完了する見通しの今回の取引で、ケロニア株主は32億5000万ドルの前払い金と、マイルストーン達成に伴う支払いを含めて、最大70億ドルを現金で受け取ることができる。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリストは、前払い金は高額に見えるかもしれないが、臨床データの堅固さとこのセクターにおける競争的な合併・買収の動きが、その対価を正当化していると分析した。

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